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モンティニーの狼男爵 (光文社文庫)
佐藤 亜紀
光文社 2001-10
評価

by G-Tools , 2011/04/15




これまた面白い。
佐藤さんの小説は、異国情緒があって
子どもの頃に読んだファンタジーを思い出します。
とはいえ、大人の恋愛小説なんですけど。
独特な世界があって素敵。

フランスの田舎モンティニーの伯爵のお話。
山ぐらいしかない田舎で、うだつのあがらない
風変わりなモンティニー公は唯一狼狩りを得意としていた。
両親を早くに亡くし、お屋敷で孤独に育った青年の恋と結婚生活。

途中でまさかの狼伯爵登場。
でも、狼としての彼が最も魅力的だった。



ようやくブログの障害が復旧したと思ったら
カテゴリがばらばらで直すのに疲れてしまった。
本の内容も新鮮さがなくなってしまったな・・・
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陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫)
酒見 賢一
新潮社 2004-11
評価

by G-Tools , 2011/03/23



ふっふっふ。ようやく読み終わりましたよ。
過去の記事を探してみたら、なんと!
読み始めたのは、2009年!!うはは。
私ってば、ひどいわね。2年越し。。
ま、書いている方は10年越しだから、いっか。

何せ13巻もあって、図書館に通ってこつこつ読んでたんだけど
忙しくなって、行かなくなって、途中で止まってました。
で、ブックオフで後半がずらーっと手に入ったもんで、
ようやく全部読めました。売ってくれた人ありがとう。

いや?後半の顔回の化けっぷりは良かったね。
ようやっと孔子もちょっと活躍したりして。
個人的には11巻の「顔の巻」あたりが好きですね。
尼丘の危機がクライマックスな感じで。


論語やら孔子伝やらを酒見さん流に解釈して、
あ?でもないこ?でもないといいながら、
物語にしているわけだけど、
いっそのこと、顔回を主役にしたモノノケ退治みたいな
シリーズものにしてくれたら、嬉しいのにな。
孔子でもいいけど。
魅力的な脇役もいっぱいいるので、
三国志みたいな面白さも作れそう。
ってか、既にあるのかな?
孔子に疎いので、よくわからん。

長かったけど、面白かったなぁ。
次はやっと「泣き虫弱虫諸葛孔明」を読むぞ!!
さてこちらは、何巻ぐらいになるのでしょう・・・

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ミノタウロス (講談社文庫)
佐藤 亜紀
講談社 2010-05-14
評価

by G-Tools , 2010/10/09




佐藤さんの本、2冊目。

ロシア革命のあおりを受けた激動のウクライナという、
日本人にはあまり馴染みのない舞台背景。
一代で地主に成り上がった父親を持つヴァシリ。
ひと言で言えば、ろくでなしのボンボンだ。
受けられる教育をありがたいとも思わず、
これといった信念もなく、甘えた生活を送っていた。
しかし、めまぐるしく変わる社会情勢の中で、
家族を失い、家を失い、自分をも失う。

今日は赤でも、明日は白かもしれない、何を信念として
活動しているのか、もはやわからなくなっているような
混沌とした社会情勢。
兵士と盗賊の区別はなく、略奪と殺戮が日々繰り返される。
ヴァシリは社会が作り出した怪物だったのか?
それとも、怪物に成長しやすい社会だっただけなのか?

ミノタウルス。
このギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物は、
ミノス王の妻が雄牛と交わり出来た子だ。
この息子を王は迷宮に閉じ込め、生きた若者を食餌として送り込んでいたという。
自分の子かどうかすら怪しく、生まれながらにして目を背けたくなるような獣。

ヴァシリは、この時代に生まれたミノタウルスなのであろう。
人の形をした怪物が、怪物としての本性を表し、人ですらなくなっていく
その様は、不穏で不愉快で、気持ちを落ち着かなくさせる。
けれど、怪物はヴァシリだけだったのか?
ヴァシリの周りを見渡してみれば、ヴァシリのような人間は山ほどいて、
その差は紙一重な気がする。

人の命や気持ちがこうもあっさりと踏みにじられると、
なんとも不安な気持ちになりますな。
流れ出た鮮血は、数時間もすればただの汚いシミとなり、
数日経てば、その跡すら消えてしまう。
人の存在とは、なんと瑣末なものなのか・・・

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バルタザールの遍歴 (文春文庫)
佐藤 亜紀
文藝春秋 2001-06
評価

by G-Tools , 2010/08/30





また素敵な作家さんを知ってしまった。
佐藤亜紀さんは初めて読みました。
しかも存在すらしらなかった。
ご存知の方には、何を今更・・・なことでしょうが、
知らなかったもんは知らなかったんだからしょうがない。
いや?本当にいろんな作家さんがいて、
読みたい本が尽きないって幸せ。
未読の本が本棚に並んでいると、まだ死ねないなぁって思うわ(笑)。

なんて奇想天外な本。
ハプスブルグ王朝の終焉により、没落する貴族。
そんな題材をまるで外国文学のように綴っている。
が、だまされてはいけない。
この本は、堅苦しい貴族の悲哀だとか、
時代の終焉を憂うものでは決してない。

没落貴族カスパール・フォン・ヴィスコフスキー・エネスコ公は
一人の体に二人の意思が存在している。
もうひとりがバルタザールである。ようするに脳は双子。
よって、一人称で語られる文章は、カスパールとバルタザールが
入れ替わったり、会話したりしてつづられる。
読んでいるうちに”私たち”という呼称がなんの違和感もなくなってしまうが、
そこで描かれている世界には彼は一人で存在しているから、
おかしな人と思われるのは当然だ。
しかし、彼らはそんなことを隠そうとも気にしようともせず
堂々と生きている。それがこの本の魅力でもある。
カスパールとバルタザールと周りの世界。

家の没落による、その転落人生。
酒におぼれ、女におぼれ、貴族らしく
難しいことを考えず、労働もせず、
日々自堕落に生きる彼ら。
ウィーン、パリ、そして逃げてきたアフリカの地。
それぞれの地で彼らは彼ららしく生きていた。
そして彼らが二人の人間であったこと以外に
もうひとつ特殊な能力が物語の後半を彩る。

”壁抜け”というあだ名を持っていた父親の血を
受け継いでいたふたり。
どういうことかというと、体を抜け出せるのだ。
抜け出した体は鏡に映らない、影がないこと以外
普通の肉体と変わらない。
その能力によって、ガスパールとバルタザールは
実質的にも二人となりえることになる。

何でしょう、この奇想天外な物語。
めちゃ面白いです。
バンパイア伝説があったように東欧の貴族には
こんなオカルト傾向があっても違和感ないってこと?
いや実際違和感なく読んだんだけどね。
時代背景、舞台、人物像、すべてが物語としていい!
本当に日本の作家さんが書いたのが不思議な本でした。
これがデビュー作って恐ろしい人ですね。

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かたみ歌 (新潮文庫)
朱川 湊人
新潮社 2008-01-29
評価

by G-Tools , 2010/08/24




久しぶりに朱川さんの本。

東京のとある下町。
アカシア商店街のあるこの町は、不思議な現象が起きる町。
どうやら覚智寺という小さな寺が、この世とあの世をつないでいるらしい。
そのせいか、この町では、死者がよく現われる。

防げなかった死、伝えられなかった想い、ただ会いたいという焦がれ・・・
生きるものの想いと死んでしまったものの想いが行き交う町。
死にまつわる様々な想いが色々な方法で伝えられる。
そこに恐怖や畏怖はなく、ただただ切ない気持ちがある。

朱川さんの得意分野ですね。
朱川さんという作家さんは、不器用な語り口で書き進めることがよくある。
読まれることを意識しない、文章を生業としない、普通の人の想いを素朴に記すためだろうか。
これは、書き手としては結構難しい作業なんじゃないかと思う。
書ける人が、文章を下手に書くって難しいよな?
この本は、この町に暮らす人々の不思議なお話がオムニバスのように入っているので、
その数だけ、文体が変えてある。
さらりと読める本だけど、書くのはそうであるまいと勝手に感心してしまう。

話によっては、泣いてしまうので、電車で読むのは要注意。

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