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かたみ歌 (新潮文庫)
朱川 湊人
新潮社 2008-01-29
評価

by G-Tools , 2010/08/24




久しぶりに朱川さんの本。

東京のとある下町。
アカシア商店街のあるこの町は、不思議な現象が起きる町。
どうやら覚智寺という小さな寺が、この世とあの世をつないでいるらしい。
そのせいか、この町では、死者がよく現われる。

防げなかった死、伝えられなかった想い、ただ会いたいという焦がれ・・・
生きるものの想いと死んでしまったものの想いが行き交う町。
死にまつわる様々な想いが色々な方法で伝えられる。
そこに恐怖や畏怖はなく、ただただ切ない気持ちがある。

朱川さんの得意分野ですね。
朱川さんという作家さんは、不器用な語り口で書き進めることがよくある。
読まれることを意識しない、文章を生業としない、普通の人の想いを素朴に記すためだろうか。
これは、書き手としては結構難しい作業なんじゃないかと思う。
書ける人が、文章を下手に書くって難しいよな?
この本は、この町に暮らす人々の不思議なお話がオムニバスのように入っているので、
その数だけ、文体が変えてある。
さらりと読める本だけど、書くのはそうであるまいと勝手に感心してしまう。

話によっては、泣いてしまうので、電車で読むのは要注意。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


わくらば日記
わくらば日記
posted with 簡単リンクくん at 2006. 7. 8
朱川 湊人著
角川書店 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。

下町の昔の情緒を描くのが上手な朱川さん。今度は東京の下町が舞台。
お化け煙突がまだある頃の足立区。母親と姉の3人でつつましく暮らすワッコ。人や物の記憶が見えるという特殊能力を持つ優しい姉と過ごした幼少期を回想する。

相変わらず、あったかい文章ですが、ちょっとパターン化してきた感じが。
特殊能力を使って、事件解決に協力をする姉を通して、人の哀しみ、時代の切なさがしんみりと描かれているんだけど、今回はエピソードの一つ一つが胸を打たなかったなぁ。

それにしても、この作家さんの作品は全部セピア色なんだよね。夕陽の色。同年代の人に受けそうな雰囲気だわ。思わず、父に薦めたくなる、そんな本が多いな。

都市伝説セピア
朱川 湊人著文芸春秋 (2006.4)通常24時間以内に発送します。

花まんま』の朱川さんのデビュー作である『フクロウ男』が入っている短編集。
やっぱりこの人、すごい!面白い!!
『花まんま』の時にも思ったけど、この人はなんて温かい文章を書く人なんだろう。自分でも忘れているような記憶の片隅をうまいこと触る。触られたところがほんのりあったかくなるような、そんな読後感がある人。
それでいて、ちょっとした幼少期の罪悪感だとか、忘れたかったような記憶も突いてくるから恐ろしい。

この本は、ちょっと怖くて、懐かしくて、切ない話が5つ。

最初の「アイスマン」はかなり怖かった。まだ見世物小屋というものがわずかに残っている時代。”河童の氷漬け”なる物とそれを見世物にしている親子と出会った少年の話。展開が読める怖さあり。それでもラストはなんだかあったかい。

ほろろ泣きの「昨日公園」。大事な人を失った日が繰り返される公園。大事な人を守ろうと必死になる少年たちに涙腺開放。幼少期、日が暮れ始めて空が夕焼けに染まる時間帯のなんとも言えない哀しさと寂しさが全編に漂っている感じ。子どもの頃って、どうして一日が終わるのがあんなにも哀しかったんだろう。


花まんま
花まんま
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.10
朱川 湊人著文芸春秋 (2005.4)通常24時間以内に発送します。

直木賞を受賞されるまで全く知らなかった作家さん。
関西弁で綴られる文章のせいか、あったかくて、大人の小説という感じを受けた。

書かれているのは、6篇とも子どもの頃の世界。子どもの頃にはわからなかった理不尽、大人の身勝手や社会の在り様、そんなものが子どもの周囲には渦巻いている。子どもたちにも多かれ少なかれ影響はあるんだけど、でも、子どもには子どもの世界があって、それが後になったらどれほど懐かしい日々であることか・・・

大阪の下町?っていうのが正しいのかわからないけど、裕福ではない人たちが寄り集まって暮らしている町。その中にいる時は、みんな顔見知りで大きな家族みたいだけど、その輪から出たとき、世間と彼らとの間を隔てるもの。子どもにも分かる明確な線引き。そういったものが、話の節々に出てきて哀しくさせる。
それでも朱川さんの目線は優しい。子どもの世界は守られ、夢に満ち、”思い出”として後で語れる特別な時期として、描いていると思う。
梅雨に読むといいかも。となんとなく思った。しっとりしてて、ほっこりする。

この人は子どもの罪悪感を書くのが上手い。子どもの頃って、善悪の区別がそんなにつかないながらも、「これは人には言えない!知られてはいけない!」っていうことは肌でわかったりする。それが何で悪いのか、はわからないんだけどね。でも、その罪悪感を解消してしまえる素早さもまた持ち合わせてる。優しさと残酷さが子どもらしさであるのかなぁ。

『トカビの夜』が一番好きかな。唐辛子を受け取ったお母さんが泣き崩れるところが良かった。差別視してても、親心は通じるんだなぁってホッとした。




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