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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
フィリップ・K・ディック カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン)
早川書房 1977-03-01
評価

by G-Tools , 2012/09/22



映画『ブレードランナー』の原作として有名なSFです。
1970年代に書かれているのに、一向に色あせない近未来の話。
アンドロイドと人間の関係性は永遠のテーマなんですな。
近代化、機械化が進むにつれ、よりいっそうこのテーマは重みをまし、
真実性を帯びていくはず。

タイトルの秀逸さにも感服。
果たしてアンドロイドは夢を見るのか?
人が人として証明される要素とは何か?
人と機械を隔てるものを、こんなにも前から
しっかりと捉えていることがすばらしいですね。

アンドロイドが巧妙に人を装う時代。
本物の動物の貴重性。
人間の愚かさだけが、人間たらしめるという皮肉。
でも、だからこそ人間が愛おしいのか・・・

勝手にSF回顧シリーズとなりました。
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ほとんど記憶のない女 (白水Uブックス)
リディア デイヴィス 岸本 佐知子
白水社 2011-01-22
評価

by G-Tools , 2012/07/01



面白い本でした。
なんと51もの話が入っています。
それだけの数がありながら似ている話がない。
どれもこれも違うタイプの物語。
物語なのか?とさえ思う短いものもあり。

訳者の岸本さんによるあとがきがとてもわかりやすい!
私が特に惹かれた『グレン・グールド』という話についても
”彼女の息づまるような焦燥感”と表現してますが、
まさに!と思いました。

この短編は、子育てをしている専業主婦が
好きなテレビ番組について語っているものなんだけど、
夕方の忙しい時間帯にコメディ番組を楽しみにしていることを
うしろめたく思う主婦の孤独がそこにはある。

毎日、家事に育児にと真面目にこなしている彼女が
たかだか一つのテレビ番組を楽しみに見ているということを
なぜこんなにも言いにくそうにするのか。
家で一人子どもと向きあい、外から入ってくる情報はテレビだけ。
閉ざされた主婦の日常がそこには見える。
ただのテレビ番組でさえ、誰かに肯定されたい、そんな思い。

決して不幸ではない人たちの、心の中にくすぶっている感情や
一生懸命生きている毎日に見え隠れする孤独。
思わぬ鋭さで胸に迫ってきます。

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チェット、大丈夫か? (名犬チェットと探偵バーニー2) (名犬チェットと探偵バーニー 2)
スペンサー・クイン 古草 秀子
東京創元社 2011-10-28
評価

by G-Tools , 2012/01/31



僕の名はチェット」の続編です。
これは!どうやらシリーズ化しているようです!
嬉しい~~
1作目よりめも、チェットのかわいさが増した気がするのは私だけ?
チェットの飼い主に対する絶大なる信頼もあいかわらずで
ほほえましいことこのうえなし!

今回は、ドッグショーを連覇しているお嬢様犬なども出てきたり、
チェットがまたバーニーと離れて独りで頑張ったりと、
チェットの見所が満載!

犬目線で事件を解く。
想像以上に描写が豊富で楽しい本ですよ。

早く、違うシリーズ読みたいなぁ。

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サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
タチアナ・ド ロネ Tatiana de Rosnay
新潮社 2010-05
評価

by G-Tools , 2011/12/01



もうすぐ映画が公開されるので、その前に、とあわてて読み始めた。

泣いたわ~
ナチスがらみの話はめちゃめちゃ久しぶりに読んだ。
というより、本としてちゃんと読んだのは「アンネの日記」くらいじゃないだろうか。
きっと多くの人がそうだと思うんだけど、ナチスによるユダヤ人大量虐殺は
あまりに陰惨で理不尽で、目を背けがち。
映画だと頑張って観てみるんだけど、本だとかなりしんどい。

でも、この本はとても読みやすかったな。
重さに押しつぶされず、スルスルと涙を流しつつ読める。
それは、ノンフィクションノベルではなく、
小説としてストーリーが構築されているからだろう。

パリを舞台に、パリ在住のアメリカ人ジャーナリストが追う、
1942年の夏、パリのど真ん中で起きた悲劇。
フランス人でも知らない人が多い、フランスが加担したユダヤ人の一斉検挙。
そのとき、フランス人は何をして、何をしなかったか・・・
戦争中だったから、仕方がなかった・・・そういう思いの中で
記憶に埋もれてしまった悲惨な事件。

その事件を調べることになった女性ジャーナリスト、ジュリアは
フランス人と結婚しパリを愛しながらも、夫や夫の家族との間にある壁を
ぬぐいきれずにいた。
その外国人としてのジュリアの視点が絶妙に、この事件の追及と合わさる。
かつて、マレ地区のアパルトメントから連れて行かれた少女サラに起きた
出来事と、現在のジュリアの周りで起きる出来事の交錯が見事!

パリに行ったことがある人は分かると思う、パリジャンたちの気質やパリの街並。
古く豪奢な建物は堅牢な扉で閉ざされ、中にどういう生活があるか一見すると分からない。
そういう建物と同じように、パリに住むフランス人たちも誇り高く、気安くはない。
そんな国で目を背けられた忌まわしい過去の出来事。
そこを掘り起こす苦労と、事実と向き合う痛み。

その人の人生が変わってしまおうとも、
知らなくてはいけない真実がある。
多くの人が傷つこうとも、
知らせなくてはいけない真実がある。
歴史というのはそういうものなのだと、
ジャーナリストというのは、それが使命なのだと
色々な想いを抱いた本でした。
名著です。

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アライバル
ショーン・タン 小林 美幸
河出書房新社 2011-03-23
評価

by G-Tools , 2011/11/24



震災のちょっとあと、twitterでこの本を薦めている人を多く見かけた。
そして、MX「5時に夢中サタデー」の中で宇多丸さんがお薦めして、
図らずもその裏でTBSの「ブランチ」にて紹介されるという小さな奇跡を起こした本(笑)。

これは絵本です。

人が流れていく様。流れ着いた様。
そういう世界のあちこちで起きていることを描いた絵本。

不穏な空気に包まれる町。
その町に妻と娘を置いて異国の地へと向かう男性。
見たことのない生き物、文字、食べ物。
新しい世界に降り立ち、寝起きをし、仕事をし、人と出会う。

言葉がなくても、男性の心細さや哀しみや喜びがひしっと伝わる本。

とても雰囲気のある絵なので、
私はスケールを大きくしてこの世界に浸りたいと思った。
一枚一枚を壁に描いて、歩いて観て回れるような展覧会とかにならんかな?
そしたら、体中で感じられる気がするな。


物語の中にひとつだけ日本語を見つけた。
”勇”という文字。大きな建物の壁面に書いてあったけど、
なんでこの文字を選んだのかな?

いろんな国から色々な事情を抱えて、この国(街?)へたどり着いた人々。
この場所だけは、永く平和であるといいなと願ってしまう。
どこから来ようとも、人が人を想って生きている所は
安全で平穏に生きられる場所であって欲しい。

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌



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