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夜をゆく飛行機 (中公文庫)
中央公論新社 2009-05
評価

by G-Tools , 2009/12/02




角田さん、再婚おめでとうございます。
てか、離婚していたのをしりませんでした・・・
やはり恋多き作家というのはいいですよね。


久々に角田ワールド、せつなファミリーの話を読んだ。
なんだか、いつも「そこをつくかぁ」っていうところをつかれちゃうんだよね・・・本当に角田さんの描く家族って、切ない。
今回は、4人姉妹のいる酒屋の下町ファミリーが描かれているんだけど、その漫画みたいな家族を家族の一人が本にしちゃって、新人賞とかとっちゃって、少しずつ家族が変わっていく話。
バカみたいにのん気な家族のように見えても、ひとりひとりが色々と抱えていて、子どもの成長とともに、家族なんてどんどん変わっていってしまう。ずっとそこにあるものだと思っていた家庭っていうものが、永遠ではない。そんな当たり前なんだけど、気づかないでいてしまいそうな、家族の在り様を絶妙に描いています。

そりゃ小説だから多少はキャラがたった登場人物だけど、でも、やっぱりどこにでもある家族の形だと思うんだよね。高校を卒業する年頃の娘の視点っていうのが、上手いところで、それまで当然あると思っていた家族の庇護が薄れていくのを感じる年頃なんだわ。そうして、自分の親も姉もみな、一人の人間として弱いところも理不尽なところもある、自分と同じような人間なのだと気づく。
気づいた後の人生のいかに心細いことか。そして、それでもそばにいる家族のありがたいことか。
そんな家族に対する色々な感情を刺激されます。

居場所がない気がして居心地が悪いときもある。近すぎてうっとおしいこともある。
恥ずかしい。憎たらしい。顔も見たくない。
色々な想いが詰まっている自分の家族。
でも、いてくれてよかったという瞬間がきっとあるはず。
家族って、存在そのものが思春期みたい(笑)。

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庭の桜、隣の犬 (講談社文庫)
角田 光代
講談社 2007-09-14
評価

by G-Tools , 2009/01/26


角田さんはさらりと怖い話を書きます。
こんなどこにでもありそうな夫婦の感情を改めて描くと結構怖いもんなのね。

「なんで一緒にいるんだろう?」ってふと思ってしまった妻房子となんだかわからないうちに自分の生活が崩れ始めている夫宗二。小さな出来事を通じて夫婦の意味を考える。

特に働くでもなく家事を頑張るわけでもない房子。毎日のように実家に帰り、おかずを分けてもらい、洗濯をしてもらう・・・なに、この女。すごいムカつくんだけど。旦那はそれでいいのかい?って疑うと旦那は旦那で、さして仕事に情熱もなく、今の生活に確かな”ビジョン”があるわけでもなく、一人だけの時間に恋焦がれている。好きでもない女に付きまとわれても、はっきりと拒絶しない。
子どもたちの配偶者の悪口を無意識のように口にする房子の母親や、熟年恋愛を始める宗二の母親など、どこを見てもなんだかいけすかない人ばかりが登場する。
結局のところ、家族というものの嫌な面をじわ?っと描いているんだな。なんだか読んでいていやぁな気分になる。気が滅入る。目を背けたいところをわざわざ描かれている気がする。

角田さんは家族に対する嫌悪感を描くのが上手いよね。自分の感覚と似てるからなのかな。結構、堪えるんだよね(笑)。自分が逃げているところをわざわざ見せられてる感じで。
「なんで一緒にいるのか」って家族に対して持つ永遠の疑問。ましてや夫婦なんて自分たちで選んだ結果だからね。そこに疑問が生まれちゃうとキツイよな。こんな疑問を持つ人間はあんまり結婚しないんだろうなぁ。私なんて、この世の中にこれだけの夫婦がいる現実が不可解だもの。
こんなこと考えずに能天気に暮らすのが一番幸せだと思う。だから、こういう小説は怖いのよ。

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八日目の蝉
角田 光代
中央公論新社 2007-03
評価

by G-Tools , 2008/04/30



良かった?。本当に角田さんの最高傑作になるんじゃないかと思う。なんだかあちらこちらで泣きながら読んでた。ぐわぁ?っと感情の波が押し寄せるわけじゃなくて、じわりじわりと胸をしめつけられる。ただ涙がながれてくる。哀しいとはちょっと違う、”切ない”だったり”愛おしい”だったり、そういう種類の感情に持っていかれる。久々に朝まで一気読み。

不倫相手の子どもを衝動的に誘拐してしまった希和子。子どものあまりのかわいさに抱く自分が親であるような錯覚、そんなわけないという自覚、その感情に揺れながら、ダメだとわかっていながら逃亡を続けてしまう。行き当たりばったりで逃げた月日の1章。そして誘拐された子どもが大学生になって回想するそれまでの人生の2章。

子どもを盗まれた夫婦にしてみれば当然彼女は罪人だ。誘拐された子どもにとってみても自分が安心して暮らせたはずの世界を奪った人間だ。だから彼女は「世界一悪い女」だ。でも、1章を読んでいると、希和子が子どもに感じている愛情があまりに切なくて、彼女を責められなくなってしまう。未来はないけど、この偽の親子ができるだけ長く一緒にいられればいいのに・・・なんて思ってしまう。
子どもの章でも、誘拐犯を恨む彼女に、そんなことはないんだよ、なんて言いたくなる。読者がストックホルム症候群にかけられちゃうようなもんだ。
うう、なんだか哀しいなぁ。この本、夫婦の側からの視点があっても面白かったかも、って思う。誘拐をはさんでの四者の心情。どの人も誰かを恨んで、自分を憎んで生きるんだろうなぁ。

読み終わった後、布団の中で余韻にひたりながらキャスティングを考えてみる。希和子は誰かな。永作博美?宮沢りえ?鈴木京香は年齢がイマイチだな。不倫相手の嫁は高岡早紀が合う。富田靖子も狂気な感じが合いそう。実際は西田尚美とかがやりそう。
きっと映画化されるね、これ。

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トリップ
角田 光代
光文社 2007-02-08
評価

by G-Tools , 2007/06/08




お肉屋さんやお豆腐屋さんがある商店街。町を流れる川。手をつないで歩いている親子。威勢のいい呼び込み。どこにでもある町の風景がここにはあって、商店街の舗装された通りのレンガのひとつひとつ・・・その中にちょっと浮いてるレンガがあって、かならずそこでつまづいちゃうの(笑)。そんな日常のありふれた断片が思わず見えてきそうな、そして、子どもたちの声とかお店から流れる有線の音とか、そういった町の雑音も聞こえてきそうな本。
雑多な人たちが形作っている“町”も、その構成員である個人に焦点をあてたとき、こんな風に意外な秘密があるのかもしれない。いや、あったら楽しいなぁ。

なんだってこんな趣味の悪い店をやってるんだろう?って思うおばちゃんが1人で切り盛りしているような薄暗い喫茶店。あるある。でも、妙に居心地が良かったりもするんだよね。
自営業のお店に時々見え隠れするそのうちの子ども。親の仕事を邪魔しないように妙に賢しげで大人びてる男の子。いるいる。
この人は一体、何の仕事をしてるんだろう?昼間っから商店街をうろうろしてるなんて・・・っていう男の人。いるいる。

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幸福な遊戯
角田 光代
角川書店 2003-11
評価

by G-Tools , 2007/06/08



『幸福な遊戯』、『無愁天使』、『銭湯』の3編。
表題作『幸福な遊戯』はデビュー作だそう。
これを読んで、ようやく角田さんという作家さんを理解できたような気がする。これまでいくつかの作品を読んで、ふいを衝かれるようにスコーンと暗くさせられてきた。自分の中の暗部を突っつかれて唖然とするというか・・・それがこの本でようやく、ああこの人はこういう本を書く人なんだと納得できたような。
角田さんは幼少期を不幸に過ごしたに違いない。それも取り立てて不幸な家庭や環境にあったわけではなく、感受性が鋭いがために不幸に感じて育ったんではないだろうか。
家族との些細な傷つけあい、同級生たちとの心理戦。毎日何かにおびえながら、いつか、ここではないどこかへ行けると信じて生きているような。
彼女の描く人物は不幸ではないけど、決して幸福ではないんだよね。


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