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ともしびマーケット (100周年書き下ろし)
朝倉 かすみ
講談社 2009-07-22
評価

by G-Tools , 2010/08/03




スーパーって雑多で楽しい。
置いてある物も、利用する人も、働く人も、雑多。
個人の生活への関わり方は様々で、
そんな個々の生活がちょっとだけ交錯する場所。
その交錯した瞬間の見えない花火を書いたものだと思う。
その花火は、決して華やかなものではなくて、
まさに”ともしび”ぐらいなものなんじゃないかな。
それでも、その”ともしび”に心が動いてしまう。
そういうささやかな物語集なのだ。


これまで読んできた朝倉さんの本とは少々趣きの異なる本。
趣きが異なる?訳でもない気がするけど、
なにがどう違うのかは、説明しづらい。
うーん、引き込まれない?

これまでは、刺さるような現実的な痛みがどこかしらにあって
知らんぷりができないような内容が多かった。
でも、これはとても客観的に物語として読める感じ。
ある北の町に一軒のスーパーマーケットがありました。
そこに通う一人の主婦がいました。
と、とても俯瞰な視点でこの物語を見る感じかな。


これは、朝倉さんが書いても書いても作品が採用されない時期に
編集の方から提案されて始めた短編オムニバスらしい。
売れることとか、そういうことを気にせずに書けた物語だそう。
そのせいか、いまいち評判はよくない。
書きたい物語が、読みたい物語になるわけじゃないものね。
でも、そういう作品があってもいいと思う。
作り出すことに意味があるときだってある。


そういえば、花屋のヤンさん(だっけ?)は、
『好かれようとしない』にも登場してたかしら?
私の中で、この二つの町はまったく交錯しないので、
なんだか違和感。
それともヤンさんは、花屋を移ろっているのかな?




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好かれようとしない
朝倉 かすみ
講談社 2007-11-13
評価

by G-Tools , 2010/07/13





朝倉さんの本を読むと、
あれ?どっかから私のことを観察してんの?
って思うことが、よくある。
どこで見られてるんだろう(笑)

それくらい、刺さる・・・
本当にさ、できれば人から気づかれたくない
自分のネガティブな部分をグサグサと刺してくるんだよね。
そんなこと言ってるけど、この女本当はこうなんだよ?って
うわ?それバレてるの?しかも言っちゃうの?!?みたいな、
いたたまれない気持ちにさせられる。

今回の主人公、風吹は赤面症がひどくて、
おそらくそれが原因で、自分の気持ちを抑えようとしたり
欺こうとする傾向がある。
そういう風に、自分の感情と向き合ってきてしまった彼女が
思わぬ「好き」に出会い、自分の中の抑止力と戦いつつ
前に進んでいく話。

タイトルの「好かれようとしない」は
そんな風吹に、年の割りに色気のある大家が言った言葉だ。

「好かれようとしないことよ」


そうか、そうなんだよね。
「好かれたい」、「よく見られたい」という気持ちは
好きじゃない自分と対峙しなくてはいけないきっかけになる。
そうすると、その対峙から逃げ出したくて、気持ちをそらしたり
そらせない気持ちを抱えてジタバタしたり、挙句あきらめてしまったりする。
”こんな自分”を受け入れてくれるのもイヤ、でも本当は受け入れて欲しい。
そういうジレンマで前に進めない。

あ??本当に自分の心の中を覗かれているみたい・・・
私はいつこんな自分から抜け出せるんだろう。
ちょっとあきらめていた自分を反省。
「好かれようとしない」
以前に自分の感情をシャットアウトしちゃってるからな、最近。
良くないわ?

それにしても、毎度刺されるな・・・
朝倉さん、私のカウンセリングとかしてくんないかな(笑)。

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感応連鎖
講談社 2010-02-20
評価

by G-Tools , 2010/05/17




やぁ?面白かったわ。
敬愛する書評家、豊崎ねえさんが絶賛していただけありました!
なんか、帯には”肥満少女が蝶に変身するまで?”うんぬんということが書いてあったんだけど、そういうありがちなシンデレラストーリー、もしくはBCストーリー(ビューティーコロシアムね)と思ってはもったいない!!
そこではないのだよ!この本の面白さはまさに、タイトルどおり!
思春期の少女たちの、その繊細な少女性と精神世界が微妙に”感応”して、”連鎖”していく、その構成が面白い!

人名ごとに章立てされていて、つながりを持った登場人物たちがどういう風に感応、影響していくか、それぞれの内面が描かれる。
始まりの章では、墨川節子。節子を「セシルちゃぁ?ん」と呼ぶ、超夢見がちな母の元で、すくすくと巨大化した少女は、自分を肥満たらしめているものについて日々考察を重ねている。そして、”デブ”である自分のキャラクター、ボジションを見極め、常に場に合うよう”デブ”があるべき姿を演じている賢い少女である。
そんな彼女は、高校にあがり、やけに勘のいいやせぎすの少女・佐藤絵理香と、彼女の母の理想である「夢の娘」を具現化したような少女・島田由希子に出会う。
ここから、連鎖が始まっていく。

節子は、島田由希子を夢の娘として完成させるために恋をさせようと考える。その相手に選んだのは、担任の秋澤。
そして第二章「秋澤初美」。担任秋澤の奥さんが主役。幼い頃に持ってしまった歪んだ思考と嗜好。夫の浮気を常に疑っている初美。その初美が秋澤の不貞に気づいた時、現われたのは、島田ではなく佐藤絵理香だった。
第三章「佐藤絵理香」。生まれた頃から、人の思念が単語で入ってきてしまう特殊な能力を持つ。全く喜ばれないその能力のせいで、性格がひねてしまっている絵理香。節子という自分を崇めてくれる親友もでき、さらに彼氏もできて幸せな日々のなかで、唯一島田由希子が邪魔だった。彼女をおとしめようと、わざわざ担任宅までおしかけてみたが・・・
そしてラストは「新村由希子」。大人になった島田由希子の章。

こうして、女子高のひとつのクラスの中で起きていた少女たちの密やかな人間関係と目論見が明らかになる。
登場人物ごとの視点で描かれ、それぞれの証言から事件の全貌が明らかになるという形のミステリーはまぁまぁあります。構成としては、そういうことなんだけど、この本は、登場人物が少女であり、少女特有の感度の良さ、浅はかさ、そんなアイテムが効いている。また、それぞれの思考がひとつの個性として完成しているから、章が進むほどに読み応えがあって、どんどんはまっていきます。


女の妄想や、少女の願望、社会において求められる女性像・・・
人は、あらゆる周囲の人の希望や理想を受けて育つ。
そういった意識、無意識問わず、人が他人に対して感じる、その人のイメージをいかに自身が影響されているか。そういうことになるほどなって思う。だから、環境って大切なんだな。
蛾になるか、蝶になるか、それはやっぱり素質+育児環境ってことなのかな。
ブラックなユーモアも効いていて、ラストもピリリとしていて、私は好き、こういう本。

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エンジョイしなけりゃ意味ないね
朝倉 かすみ
幻冬舎 2008-11
評価

by G-Tools , 2008/12/25



いいっすね?最近の朝倉さん。
相変わらず痛い女を描いているんだけど、なんて言うんでしょう、その女性への愛が強くなったというか。痛いけど、かわいいじゃんっていう愛をね、感じます。
ありがちなOLたちの日常。陰で嗤われる仕事の出来るお局のこと。同僚の男性社員とのちょっとした駆け引き。無難に過ごしたい、でもやっぱりちょっとは目立ちたい、そんでもって幸せをゲットしたいOLたちの日々。女たちはどんなタイプにせよ、頑張ってんだぞ!っていう共感と、わたしもこんな日常でいいのかも、なんて安心をもらえます。

ちょっと荻原浩化?奥田英朗化?っていうくらい、登場人物のひとりひとりのキャラが立ってるし、憎めない感じがいいなぁ。女の汚い面とかわいい面。はたから見たら痛い面と尊敬できる面。女たちのいろんな角度が見れて楽しかった。

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田村はまだか
朝倉 かすみ
光文社 2008-02-21
評価

by G-Tools , 2008/10/08



久々に朝倉さんの本を読んだ。
面白い!
小学校の同窓会から流れてきた40歳の男女。3次会となった小さなスナック「チャオ!」のカウンターに座る5人の中年。彼らが待っているのは田村という男。その男の小学時代の思い出を語りながら酒を飲む5人。チャオのマスターは、常連の永田以外の彼らを”腕白”、”コルリオーネ”、”エビス”、”いいちこ”と名づけ、様子を見ている。そして、彼らの話を聞いているうちに彼もまた田村を待ち望むようになる。それにつけても・・・「田村はまだか?」

彼らの小学校時代のエピソードから始まり、40歳を迎える彼らのひとりひとりの今が描かれる。40歳にもなれば色々ある。そして、普段会わない旧友だからこそ、思わず口にしてしまう話がある。今まで人に言ったことのなかった自分の秘密。田村を待っている間にゆるゆると口が開いてしまう。

誰でも経験したことあるんじゃないかな。今交友している人たちには絶対話さないようなことを思わず、久々に会った人に話してるってこと。それに、初めて行ったバーで何故か吐露してしまう自分の弱さみたいなこと。そういう共感もまたある。

田村が遅くなっている理由にはちょっと驚いたけど、田村って何もんだ!?っていうキャラクターは一貫してたような。「孤高の小6」はとても強い人間だったのだ。



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