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荒野に獣 慟哭す 上 (トクマノベルズ)
夢枕 獏
徳間書店 2011-08-31
評価

by G-Tools , 2012/04/01



書店にサイン本が並んでいたので、つい購入。
獣系SF。
人がめちゃめちゃに殺されます。
首切られるわ、喰われるわ。
獏ワールド全開です。

獏さんの作品の中ではかなり分かりやすい方だと思う。
もう分かったよ、っていうくらい心情や状況を説明してくれるし(笑)。

食人の習慣のある部族の脳からみつけたウィルスにより、人が獣化し、
人間以上の力を持った彼らを兵器として開発するという、
恐ろしいSFです。
獏さんの描いてきている”鬼”と通じるものです。
人が作り出す”鬼”。
その”鬼”の気持ち。

本当に恐ろしいのは鬼なのか、人なのか。
獏さんの作品には、そういう想いが常にあるように思います。
異質なる”鬼”の登場により、”人”の怖さを描く。
その一方で、突出して魅力的な”人”もまた描く。

獏さんの作品は、化け物系が多いですが、
結局は人を描いているのだなぁとしみじみ。


ジャングルをかけめぐる御門の気持ちを想う。
果たして彼は幸せだろうか、と。
しかし、彼が選んだ生き方以外に幸せはあるだろうか、と。
人は人とのつながりをもってして、ようやく人としての幸せを得るのではないだろうか。
私みたいな人嫌いは、御門の孤独を哀しいと思いつつも、ちょっぴり羨ましい。
だって、人であることを止めてしまえば、孤独なんてどうでもいいんじゃないかな。
獣はさみしいからといって泣きはしないだろうから。

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陰陽師 醍醐ノ巻
夢枕 獏
文藝春秋 2011-05
評価

by G-Tools , 2011/07/13




久しぶりに出ました、陰陽師シリーズ。
中身はいわずもがな、表紙のイラストと質感が大好きなので
出ると買ってしまいます。

このくそ暑い東京で、いろんな心配をしながら過ごす夏に
一服の清涼剤として読めますよ。

晴明と博雅がいる京の都は、薄暗くてひんやりとしていて
世事に構うことなく、ひょうひょうと生きられる世界があって
なんともうらやましい。

今作では、晴明と博雅が若干BLっぽくなってきたのが
コミックの影響なのか、獏さんのいたずら心なのか、
ちょっとドキッとしましたよ。

気持ちだけでも涼しくなれたひと時でした。

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陰陽師 天鼓ノ巻
文藝春秋 2010-01-28
評価

by G-Tools , 2010/04/12




久しぶりの晴明新刊。
桜の季節に読むといい。
桜っていう木は、花の持つ魅力や儚さがいかにも妖艶で、陰陽師にはもってこい。
夜桜なんて、なんか憑いていてもおかしくないくらい怪しげな光を放ってるし。
そんで、晴明の家の庭で、桜がハラハラと散るのを見ながら酒を呑んでいる晴明と博雅と蝉丸がなんともうらやましくなる本なのです。

話は・・・もうこれまでに読んだ話とほとんど被っている気さえするのですが、それでも読まずにはいられない。ただ残念なのが、どうも獏さんは晴明よりも博雅を愛しんで描いている節がある。そしてその傾向は日に日に増している気がする。晴明ファンとしては、もっと晴明を描いてくれ!と晴明エピソードに枯渇気味だ。
特にこのたびは、蝉丸殿の登場により、なおさら晴明が薄れていく・・・
獏さん、お願いです。晴明をもっと描いてください。
ついでにお願いです。『大帝の剣』を終わらせてください・・・SF時代劇が宙ぶらりんですよ。たしかアタマから緑色の何やらを発した奴が出てきたあたりで止まっていた様な・・・早くしないと、街中がどろりと緑色になってしまいますよ??

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上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)上弦の月を喰べる獅子〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
by G-Tools


久々の読書。
久々の獏さん。『シナン』を途中で放り出しておきながら、獏さんの違う本に手をつける。
これはタイトルから全く内容が推測ができない本。
果たして中身は・・・
驚いた??すごい本書きますな、獏さん。

勝手に名づけると、仏教SF。
螺旋蒐集家というなんとも不思議な肩書きのカメラマンと、岩手の詩人は、それぞれが幻想する螺旋の世界へ迷い込む。
螺旋をぐるぐる回るように、2本の線は1本になり・・・
たどり着いた地は、果たしてどこなのか?
現世なのか、夢なのか。

自分が何者か分からずに、その地に行き着いた男アシュヴィンは、海辺で出会った人間としばし暮らし、そして山頂の街を目指すことになる。そんなアシュヴィンの物語の合間に、”螺旋問答”なる、禅問答のような古文書的なブロックがあったりして、煙にまかれるように獏さんの世界に誘われます。


色即是空、空即是色なんて、般若心経の中の言葉が出てきたりするので、基本は仏教だと思いますが、獏さんは「天の世界を描いた」とあとがきで言ってました。
なので、これは壮大な天の物語なんです。

業を抱えた人間が死んだ後、どのように彷徨い歩くのか・・・

人はどこから生まれ、どこへ行くのか?


そんな壮大な人についての物語を描くSFです。
うーん、これで説明は合っているのか、かなり不安ですが、私はそういう本だと理解しました。

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CHOUSO60.jpg


怖気たつ短編集。表題作に惹かれました。
自分をどう弔ってもらうかということをよく考えていた頃がありまして、例えば骨にして海に・・・なんてことには全く惹かれず、一番強く惹かれたのがこの鳥葬だったのだ。ちなみにその次はガンジスに流されることだった。
中学生ぐらいだったかなぁ。多分ドキュメンタリーで観たんだと思うんだけど、鳥葬にすごく心奪われてしまって、空に近い岩場で鳥に食べられて肉体がなくなる・・・。なんだか空と溶け合う感じがして、崇高にすら感じていたのだ。自分の骨肉が他の生き物の中に生きる、その感じも良かったんだな。我ながら変な子ども(笑)。
すっかり大人になった今、この小説を読むとやはりエグイ。鳥が余すところなく食べつくすには、それはもう丁寧に肉体を砕かなくてはいけないわけで、当然そんな作業をしなくてはいけない人がいるわけだ。死んでからもなお、そんなに人に迷惑はかけたくないのでもう鳥葬を求めないが、やっぱりちょっと惹かれる自分がいる。

この小説ではチベットで鳥葬を観てきた男が日本に帰ってから、鳥に襲われる夢や幻覚を見、さらには実際に鳥に襲われる。”そんなことあるか?い”っていうオチだけど、まぁ面白い。

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