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モンティニーの狼男爵 (光文社文庫)
佐藤 亜紀
光文社 2001-10
評価

by G-Tools , 2011/04/15




これまた面白い。
佐藤さんの小説は、異国情緒があって
子どもの頃に読んだファンタジーを思い出します。
とはいえ、大人の恋愛小説なんですけど。
独特な世界があって素敵。

フランスの田舎モンティニーの伯爵のお話。
山ぐらいしかない田舎で、うだつのあがらない
風変わりなモンティニー公は唯一狼狩りを得意としていた。
両親を早くに亡くし、お屋敷で孤独に育った青年の恋と結婚生活。

途中でまさかの狼伯爵登場。
でも、狼としての彼が最も魅力的だった。



ようやくブログの障害が復旧したと思ったら
カテゴリがばらばらで直すのに疲れてしまった。
本の内容も新鮮さがなくなってしまったな・・・
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ミノタウロス (講談社文庫)
佐藤 亜紀
講談社 2010-05-14
評価

by G-Tools , 2010/10/09




佐藤さんの本、2冊目。

ロシア革命のあおりを受けた激動のウクライナという、
日本人にはあまり馴染みのない舞台背景。
一代で地主に成り上がった父親を持つヴァシリ。
ひと言で言えば、ろくでなしのボンボンだ。
受けられる教育をありがたいとも思わず、
これといった信念もなく、甘えた生活を送っていた。
しかし、めまぐるしく変わる社会情勢の中で、
家族を失い、家を失い、自分をも失う。

今日は赤でも、明日は白かもしれない、何を信念として
活動しているのか、もはやわからなくなっているような
混沌とした社会情勢。
兵士と盗賊の区別はなく、略奪と殺戮が日々繰り返される。
ヴァシリは社会が作り出した怪物だったのか?
それとも、怪物に成長しやすい社会だっただけなのか?

ミノタウルス。
このギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物は、
ミノス王の妻が雄牛と交わり出来た子だ。
この息子を王は迷宮に閉じ込め、生きた若者を食餌として送り込んでいたという。
自分の子かどうかすら怪しく、生まれながらにして目を背けたくなるような獣。

ヴァシリは、この時代に生まれたミノタウルスなのであろう。
人の形をした怪物が、怪物としての本性を表し、人ですらなくなっていく
その様は、不穏で不愉快で、気持ちを落ち着かなくさせる。
けれど、怪物はヴァシリだけだったのか?
ヴァシリの周りを見渡してみれば、ヴァシリのような人間は山ほどいて、
その差は紙一重な気がする。

人の命や気持ちがこうもあっさりと踏みにじられると、
なんとも不安な気持ちになりますな。
流れ出た鮮血は、数時間もすればただの汚いシミとなり、
数日経てば、その跡すら消えてしまう。
人の存在とは、なんと瑣末なものなのか・・・

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バルタザールの遍歴 (文春文庫)
佐藤 亜紀
文藝春秋 2001-06
評価

by G-Tools , 2010/08/30





また素敵な作家さんを知ってしまった。
佐藤亜紀さんは初めて読みました。
しかも存在すらしらなかった。
ご存知の方には、何を今更・・・なことでしょうが、
知らなかったもんは知らなかったんだからしょうがない。
いや?本当にいろんな作家さんがいて、
読みたい本が尽きないって幸せ。
未読の本が本棚に並んでいると、まだ死ねないなぁって思うわ(笑)。

なんて奇想天外な本。
ハプスブルグ王朝の終焉により、没落する貴族。
そんな題材をまるで外国文学のように綴っている。
が、だまされてはいけない。
この本は、堅苦しい貴族の悲哀だとか、
時代の終焉を憂うものでは決してない。

没落貴族カスパール・フォン・ヴィスコフスキー・エネスコ公は
一人の体に二人の意思が存在している。
もうひとりがバルタザールである。ようするに脳は双子。
よって、一人称で語られる文章は、カスパールとバルタザールが
入れ替わったり、会話したりしてつづられる。
読んでいるうちに”私たち”という呼称がなんの違和感もなくなってしまうが、
そこで描かれている世界には彼は一人で存在しているから、
おかしな人と思われるのは当然だ。
しかし、彼らはそんなことを隠そうとも気にしようともせず
堂々と生きている。それがこの本の魅力でもある。
カスパールとバルタザールと周りの世界。

家の没落による、その転落人生。
酒におぼれ、女におぼれ、貴族らしく
難しいことを考えず、労働もせず、
日々自堕落に生きる彼ら。
ウィーン、パリ、そして逃げてきたアフリカの地。
それぞれの地で彼らは彼ららしく生きていた。
そして彼らが二人の人間であったこと以外に
もうひとつ特殊な能力が物語の後半を彩る。

”壁抜け”というあだ名を持っていた父親の血を
受け継いでいたふたり。
どういうことかというと、体を抜け出せるのだ。
抜け出した体は鏡に映らない、影がないこと以外
普通の肉体と変わらない。
その能力によって、ガスパールとバルタザールは
実質的にも二人となりえることになる。

何でしょう、この奇想天外な物語。
めちゃ面白いです。
バンパイア伝説があったように東欧の貴族には
こんなオカルト傾向があっても違和感ないってこと?
いや実際違和感なく読んだんだけどね。
時代背景、舞台、人物像、すべてが物語としていい!
本当に日本の作家さんが書いたのが不思議な本でした。
これがデビュー作って恐ろしい人ですね。

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