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きのうの世界(上) (講談社文庫)
恩田 陸
講談社 2011-08-12
評価

by G-Tools , 2012/08/29



久々に恩田陸さんの本を読んだ。
恩田さんはいろんな本を描ける方ですね。
今回のように水周りのお話、結構あるような気もします。


独りのサラリーマンが失踪後、遠く離れた町で他殺体で見つかった。
その事件の経緯を追いながら、この町の秘密が徐々に露見していく。
キライじゃないんですけど、ちょっとなんじゃそりゃという結末でもありました。

個々の意志に関係なく、もっと大きなものに動かされているんだという世界観。

個々の意志が意識しないところで大きな動きを生み出す、
という世界観は、恩田さんの作品によくありますね。
人は、自分の無意識のところで世界に関わっている、というような。
ある意味、とても怖い考え方ですが。
バタフライエフェクト、桶屋理論です。
この本はまさにその理論を小説化したような感じでした。
ドキドキハラハラ系ではないけど、落ち着いて読める本でありました。

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ネクロポリス 上 (朝日文庫)
朝日新聞出版 2009-01-09
評価

by G-Tools , 2010/02/20




「アナザー・ヒル」そこは、死者と会える場所。
どうやらイギリスの近くにあるらしい、この場所に”ヒガン”シーズンになるとこの土地の住人と親戚だけが入山を許され、死者との交流ができる。
・・・ものすごい設定です。

で、今回日本の大学生であるジュンイチローは研究のため、遠い親戚であるハナやマリコたちとともに入山する。夢物語のように語られるアナザー・ヒルに半信半疑でやってきているジュンだが、実際にアナザー・ヒルに足を踏み入れ、目の当たりにする”ヒガン”。
そして、この年は、本国で話題となった「血塗れジャック」の犯人探しに国中の人が胸躍らせて来ていた。
なぜなら、ここを訪れる死者「お客さん」と呼ばれる彼らは、うそをつかないからだ。被害者たちに会い、何が起きたか、誰に殺されたかを聞けることを楽しみにしているのである。
ほかにも、死んでしまった親類縁者と会えることを楽しみにやってくる、特別なイベント。
そんなアナザー・ヒルで起きる陰惨な事件。
いつもと違うアナザー・ヒルの雰囲気で戸惑う人々、次々と起きる不可解な事件。
一体、アナザー・ヒルに何が起きているのか。


始めは、突飛な設定を楽しく読んでいたのですが、どんどん怖くなってしまい、上巻の終わりの方なんて途中で止めるには怖すぎる展開で朝まで読むはめになってしまった。
幸い、下巻の方では、色々な謎がすっきりと解決してくれたけど、やっぱり死んだ人と面と向かって話ができるなんて事態は避けたいですね。それが最愛の人であれ。
先住民であるラインマンが連れている犬クロや、ハナの飼い猫のサニーとサイドなど、獣好きには嬉しい一冊。コニー・ウイリスの本をちょっと思い出させる世界観でした。

それにしても、ジミーとテリーが怖すぎ。

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夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)
恩田 陸
文藝春秋 2008-03-07
評価

by G-Tools , 2008/08/21




恩田さんらしい世界観でした。戯曲っぽい。
山奥のクラシックホテルで開かれる密やかな集まり。そこにうごめく歪んだ感情と関係。そしてこの年、ひとりひとりの記憶の改ざんが行われる。何が起きて、何が起きなかったのか・・・

空気の作り方はさすがです。まるでそこのホテルに居合わせたような感覚を味わえる。でもこの作品を面白いと思うかどうかは、好みでしょうね。退屈だと思う人もいるだろうし、心酔する人もいるだろうし。そういうある意味完成された世界を作るところが恩田陸という作家さんらしいと思う。

恩田さんの作品には、古い建物がよく出てくる。人の歴史と愛憎がしみ込んだ家具や壁が意思を持っているかのようで、そこにいると誰かに見られている感覚に襲われる・・・みんな何かしらの秘密を抱え、何かに怯えたり、誰かを憎んだりして過ごしている・・・そういう空間がよく描かれている。
なぜか読んだ後に遣り残しているような気持ちにさせられる。この感覚は何でしょう?

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ねじの回転―February moment (上) (集英社文庫)
恩田 陸
集英社 2005-12
評価

by G-Tools , 2008/07/08



久々に恩田作品。二・二六事件にまつわるSFと捉えて日本史苦手意識バリバリの私はつい読むのを後回しにしていた本。
おもろかったわ?バリSFでした。時間を遡れる技術を発見した世界。現代の厄災から逃れるために歴史に修正をしようとする国連の職員たち。その修正点に選ばれてしまったのが、二・二六事件である。若い将校たちが国の将来を憂い、意を決して起こしたクーデター(で、あってるか?)。しかし彼らは叛乱軍とされ、処刑、親族は国賊にされてしまう。そんな事件を何度も繰り返すハメになった将校たち。

タイムトラベルものはSFでよくある話だけど、この作品が面白いのは、”歴史は自己を修正する”という理念のもと、コンピューターに入力されたとおりの歴史を繰り返し、齟齬があった場合、強制的に時間を巻き戻して、またやり直さなければならないというシステム。限られた時間の中で再生しなくてはいけない歴史。やり直させる方としては、作業にしか過ぎないが、当人たちにしてみれば、たまらない。自分たちの起こしたクーデターの結果を知った上で、闘わなくてはならない辛さ。
時間遡行システムや、当事者たちの葛藤や、うまいこと描かれています。
タイムトラベルものだと、コニー・ウィルスの『犬は勘定に入れません』もとても面白かったけど、日本史が舞台のSFもなかなか楽しかった。

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蛇行する川のほとり (中公文庫 お 70-1)
恩田 陸
中央公論新社 2007-06-25
評価

by G-Tools , 2008/03/15




なんだか、まぶしい本だったなぁ。
真夏の日射しや、陽があたる川面、少女たちの汗(って書くとちょっとやらしいけど)、男の子たちの視線をまっすぐに受けられない感じ・・・
これでもかってほど、失われた時間を感じさせられてしまった。そもそも夏休みとか合宿とかの雰囲気自体、遠い思い出だもんなぁ。帰りたいような、帰りたくないような、不安定な日々。きっと人生で一番美しくて醜い時期。

美術部の毬子は、舞台の背景画を仕上げるために、合宿に誘われる。それは、ただの合宿ではなく、特別な時間になるはずのものだった。というのも、学校で有名な二人の美少女、香澄と芳野に誘われたからだ。香澄の自宅で1週間ほどの合宿。有頂天になる毬子に水をかけるように突如現われて警告をする少年。にこやかに近づいてきた美少年。楽しみな気持ちと同時に得体の知れない不安が広がる。何故、毬子は香澄の家に呼ばれたのか?

何かが始まりそうな夏休み。少女が1日にして少女でなくなってしまう思春期。そんな一瞬一瞬を鮮明に描いていて、その一方で川のほとりで起きた過去の事件の真相が徐々に明らかになっていく。今回はミステリー部分よりもやっぱり少女たちの描写が良かったかなぁ。
色々なジャンルを描く恩田陸作品の中では、好きな方に近いかなぁ。ただミステリーだと思って読むと物足りないだろうな。

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