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くちびるに歌を
中田 永一
小学館 2011-11-24
評価

by G-Tools , 2012/04/04



若い!淡い!清々しい!

五島列島のひとつの島にある中学校。
学年2クラスほどしかない学校で、少女と少年が歌で出会う。

中学や高校でなぜか強制的にやらされてきた混声合唱。
歌うのがへたくそな私には苦痛でしかなかったけど、
それでも4つのパートがかさなりあって、音がうねった時のあの感じは
大人になった今でも忘れられない。

部活動に一生懸命になるとか、
男子と女子が一緒に何かをやるとか、
面倒だけど、ほうっておけない事柄。
逃げてしまいたくなるような恥ずかしい瞬間や、
一生忘れたくないきらめく瞬間。
本当に思春期だけが味わえる貴重な体験。

この本を読んで、自分にそういう時があったことを幸せな気持ちで思い出し、
それと同時に今その時を生きている人たちに
どうか毎日を大切に過ごして欲しいと願ってしまう。

それは、その時には気づかないけど、
過ぎ去ってから本当に身にしみて分かる大切な瞬間。
辛くても逃げちゃいけない時期。
自分の芽をつまないで、守ってあげて欲しい。
学校の片隅や、放課後の一瞬に、
今でも戻れるものなら戻りたい。
校庭からの風を感じて、屋上で雨に打たれる。
あ~戻りたい。

いつもより希望があふれた中田さんの一作。
優しさにあふれた本でした。

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吉祥寺の朝日奈くん
中田永一
祥伝社 2009-12-11
評価

by G-Tools , 2010/04/14




春樹より若くて身近。伊坂よりピュアで不器用。
中田さんは、そういう感じ。
やっぱり好きです。この人の書く本。
内容のライトさに、30代の女がこういう本を好きでいいんだろうかって、ちょっと思ったりもするけど、まぁ、所詮軽い私だからいっか。

「交換日記はじめました!」
「ラクガキをめぐる冒険」
「三角形はこわさないでおく」
「うるさいおなか」
「吉祥寺の朝日奈くん」

といった5編。軽快、痛快。特に最初の「交換日記?」は、うそ?んと思いつつも、あ?なんかいいなと思える。うそみたいな、ちょっといい話。
今回参ったなと思ったのは、「うるさいおなか」。まさか言うこと聞かない困ったちゃんである我がおなかと同じように悩んでいる人がいて、それをこんな風に小説にされちゃうなんて・・・ものすごく共感(笑)。くだらないんだけど、主人公の女の子の思考回路ひとつひとつを理解できちゃうんだよな。
確かにおなかの音を慈しんでもらえるなら、なんて幸せな関係性なんだろう。まさかのコンプレックスからの逆転劇でした。


中田さんに一貫しているのは、メジャーじゃない方の人間側にいるというスタンス。
バイタリティ溢れる人種をまぶしそうに目を細めて見ている側の人間をよく描くけど、そこが日だまりだと知っているのは、日陰側にいる人たちなんだよね。彼らは、日が当たっている人たちよりも、その日の当たる場所の温かさを知っている。ずっと外から見ているから。
中田さんは、そういうどちら側の人間の存在も分かっていて描くから、優しさに溢れていて、なんだかとってもホッとさせられる。
今回の短編たちは、関係性の温かさが際立った話。性善説じゃないけど、ああ世の中こういう人が生きているなら捨てたもんじゃないかもねって、うっかりだまされたくなる。そういう本です。
それにしても、吉祥寺行きたくなっちゃったな?なつかしのスポットがいっぱい出てきました。


中田永一2作目となる単行本。前回よりは、乙一っぽさがなくなっている。
もしかして三浦しをんだったりして?なんて思う瞬間もあるほど、温かいライトさがありました。
勝手にプロファイリングすると、78年?83年ぐらいに生まれた男性だと思う。
乙一が陰なら、中田永一は陽。もし同一人物が書き分けているなら、中田永一として描いているとき、結構幸せそう。


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百瀬、こっちを向いて。
中田 永一
祥伝社 2008-05-10
評価

by G-Tools , 2008/06/26



I LOVE YOU』に寄稿していた中田永一の初単行本。表題作がとても良かったので、期待いっぱいで読みました。相変わらず”人間レベル”にこだわっているのがおかしい。すごくソフトな短編ばかり。ソフトというのは、何て言おう。優しくて、軽くて、学校の教室が風をはらんでふわ?となってるあの平和な感じ。いいですよ。かなりライトだけど。気持ちがいい。

『百瀬、こっちを向いて。』 
これは『I LOVE YOU』の感想で描いているので省略。

『なみうちぎわ』 
勉強ばかりしている女子高生、姫子は近所の不登校児小太郎の家庭教師を始める。海に近い町で小太郎と過ごす日々。そんな折、海に溺れている小太郎を助けようとした姫子はそのまま海に沈み意識が戻らないまま5年の月日を寝たきりで過ごすことになる。奇跡のように目覚めた姫子のそばには、記憶にある自分の年より成長した小太郎がいた。

『キャベツ畑に彼の声』
テープ起こしのバイトを始めた久里子が手にした覆面作家のインタビューテープには聞き覚えのある声が入っていた。それは自分が通う学校の、若くて人気のある国語教師の声だった。自分だけが知ってしまった先生の秘密。2人で秘密を共有したことで、先生への思いが募ってしまう。でも、先生には毎日お弁当を作ってくれる彼女がいるらしく・・・女子高生の淡い恋。

『小梅が通る』
路傍の石になりたいと願う柚木は、なるべく目立たないように高校生活を送っていた。同じように地味な2人の友人と平和な日々を過ごしていたのに、ある日素顔のときにクラスメイトに出くわしてしまう。素顔の柚木は誰もが目を留める美少女だった。そこから一人二役を演じなければならなくなった柚木のこれまた淡くて甘い恋物語。

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