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居心地の悪い部屋
岸本 佐知子
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-03-27
評価

by G-Tools , 2012/07/26



岸本さんが好きな風変わりなお話を編んだ海外文学アンソロジー。
タイトル通り、ちょっとザワッとする読後感の短編がもりっと。
短編ならではの、全様が見えないからこその怖さがあります。
行間というか、例えば電話の向こうの静けさみたいな、
見えない空間の怖さがどの短編にもある感じです。
ホラーよりのものだけでなく、それこそ苦笑してしまうようなお話も。

ただ読み終わる頃には、読み始めた時と違ってしまった世界が
広がっていて、物語の中の人物の孤独や恐怖、焦燥感がひしひしと伝わってきます。
居心地が悪いけれども、もっと読みたくなる、そういう物語の魅力が詰まった本でした。
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遠い町から来た話
ショーン タン 岸本 佐知子
河出書房新社 2011-10-14
評価

by G-Tools , 2012/04/16


『アライバル』に続きショーン・タン。
今度は画だけでなく、物語も書かれていました。

素晴らしいです!
画と文字の構成が抜群にいい!
これ、訳した岸本さんの力も相当影響していると思います。

ショーン・タンの画は本当にノスタルジックというか、
ほんわかとしていながら、切ないです。
愛おしいとか、慈しみとか、そういう言葉が浮かびます。
なぜだか、胸がチクリとしたりもします。

ある日庭に現れたジュゴンや、空き地にいた水牛、
街中にいる棒人間、潜水服の日本人、街のはずれにたどりついた兄弟・・・
不可思議な物語の登場人物たちは、なんだか大切な存在に思えてきます。
そして、彼らの不在がとても哀しくなったりします。

絵本でありながら読み応えがあり、
また繰り返して何度でも読みたい一冊です。


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変愛小説集2
岸本 佐知子
講談社 2010-05-28
評価

by G-Tools , 2010/09/11




2008年の夏に第一集が出された”変愛小説集”。
翻訳家の岸本さんが出会った、一風変わった恋愛小説を集めたアンソロジーです。
2作目も面白かった!!どの物語も秀逸でした。

冒頭の『彼氏島』。海で遭難事故にあった女性がたどり着いたのは、イケメン男性ばかりの島。
(今やってる映画『東京島』の逆?)夢のような(?)社会で彼女はいろんなタイプの男性と付き合ってみる。が、彼女がやがて達する結論というか、選択は意外にも・・・
ギャルっぽい口調で語られる物語は、軽いようでなかなか鋭い真理を突く。
とてもよくできた物語。

あと印象的だったのは、ある日自分の妻が木製のマネキンだったことに気づく男の物語『マネキン』。
妻へ向けた手紙という形で綴られる男性の思い。そんなバカな!と思いつつも、ちょっと恐ろしくもあり、切なくもあるから不思議。盲目的な恋愛当初には気づかない相手の姿というのは、少なからずみな経験があるはず。そういう誰にも起こりそうな愛があったからこその悲劇をこういうユニークな形で描くのがいい。

他にも体中から歯が生えてくる妻の話『歯好症(デンタフィリア)』や、あらゆる”彼女”というものの習性を手短かつ辛らつに並べた「『人類学・その他 100の物語』より」など、笑って読めるものあり、切なくなるものあり、でかなりバリエーション豊かで、楽しめます。

世界にはユニークな作家さんがいるもんだと、岸本さんが教えてくれるありがたい一冊。

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モノレールねこ (文春文庫)
文藝春秋 2009-06-10
評価

by G-Tools , 2010/06/11




通勤のお供にもってこいな加納さんの本。
今回は、出張のお供にこちらをセレクト。
これは電車の中で読んではいかん???
あやうく号泣するところだった。
全身に鳥肌を粟立たせ、必死で涙をこらえたのぞみ車内。
これはいかんと、あとは部屋で読みました。大正解
まさか、ザリガニで号泣するとは・・・


表題作から始まる短編集。
「モノレールねこ」はちょっといい話で、結構ファンタジーで、加納さんらしいなぁと読んでたんだけど、短編によっては、やばいほど、涙腺を刺激されます。
私がやられちゃったのは、「セイムタイム・ネクストイヤー」と「バルタン最期の日」。
「セイムタイム?」は、予想の範囲を超えないけど、人の優しさが嬉しい、粋な話。
亡き娘の誕生日に毎年思い出のホテルを訪れる女性と、ホテル従業員たちの優しいうそ。
ほろほろと泣けます。

「バルタン?」はまいったね?。
これ、あとがきと同じ感想になっちゃうんだけど、まさか、ザリガニで泣くとは!ビックリですよ。
涙ダラダラ鼻ズビズビ言わせながら、やられた?って感じでした。
小学生の男の子に吊り上げられたザリガニが語る、一家のお話。
バルタンと名づけられ、それなりにいい生活を送るバルタン。
そんなバルタンの目から見ていても、ちょっと鈍くさい一家。
仕事に悩むお父さん。優柔不断なお母さん。とびっきりお人よしのフータ。
すごい温かくて、優しい家族の物語。
うまいこと生きていけない人だって、一生懸命生きてんだな?って。
バカで要領の悪い人間を頭ごなしにバカにしてはいけないなって、自分への反省も少々。

あ?めちゃいい本でした。バルタンは傑作です。




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夜をゆく飛行機 (中公文庫)
中央公論新社 2009-05
評価

by G-Tools , 2009/12/02




角田さん、再婚おめでとうございます。
てか、離婚していたのをしりませんでした・・・
やはり恋多き作家というのはいいですよね。


久々に角田ワールド、せつなファミリーの話を読んだ。
なんだか、いつも「そこをつくかぁ」っていうところをつかれちゃうんだよね・・・本当に角田さんの描く家族って、切ない。
今回は、4人姉妹のいる酒屋の下町ファミリーが描かれているんだけど、その漫画みたいな家族を家族の一人が本にしちゃって、新人賞とかとっちゃって、少しずつ家族が変わっていく話。
バカみたいにのん気な家族のように見えても、ひとりひとりが色々と抱えていて、子どもの成長とともに、家族なんてどんどん変わっていってしまう。ずっとそこにあるものだと思っていた家庭っていうものが、永遠ではない。そんな当たり前なんだけど、気づかないでいてしまいそうな、家族の在り様を絶妙に描いています。

そりゃ小説だから多少はキャラがたった登場人物だけど、でも、やっぱりどこにでもある家族の形だと思うんだよね。高校を卒業する年頃の娘の視点っていうのが、上手いところで、それまで当然あると思っていた家族の庇護が薄れていくのを感じる年頃なんだわ。そうして、自分の親も姉もみな、一人の人間として弱いところも理不尽なところもある、自分と同じような人間なのだと気づく。
気づいた後の人生のいかに心細いことか。そして、それでもそばにいる家族のありがたいことか。
そんな家族に対する色々な感情を刺激されます。

居場所がない気がして居心地が悪いときもある。近すぎてうっとおしいこともある。
恥ずかしい。憎たらしい。顔も見たくない。
色々な想いが詰まっている自分の家族。
でも、いてくれてよかったという瞬間がきっとあるはず。
家族って、存在そのものが思春期みたい(笑)。

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