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噂 (新潮文庫)
荻原 浩
新潮社 2006-02
評価

by G-Tools , 2007/09/23




なんでしょう。普通のサスペンスですね。荻原さん、こういうの書きたかったんだ。いや、サスペンスとしてはよく出来てる本だし、面白かったんだけど、私の好きな荻原さんな部分がなかったからちょっと残念。荻原さんはコミカルな本の方が好みです。

女子高生の口コミを利用した広告戦法。”女の足首を切るレインマン。でも○○社の香水を持っていれば大丈夫らしいよ。”そんな噂が渋谷を中心に広がり、現実に足首のない女子高生の死体があがる。噂を模倣した犯罪なのか、それとも実際の殺人鬼が噂を広めたのか。噂というもののたちの悪さ、メール文化のつながりの得体の知れない感じが不気味な展開。

渋谷に集まる女子高生たちの独特な文化、生態。やっぱり一番くえないのは女子高生だなと思わずにいられない。女たちの仲間とそうでない者への態度の違いって、いつの時代でも半端ない。そこがいつまでも馴染めない。こえ?本当にこんな時代に女子高生とかやってる自分がいたら、気の毒でしょうがないや。良かった。大人になって(笑)。
願わくば、将来女子高生の親にはなりませんように。だって絶対分かり合えないもん。自分だって中高生のときに親とは分かり合えなかったもんな。だったら元々違う性の男の子の方がいいや。多少手荒く扱っても大丈夫そうだし(笑)。あ?後味が悪いっす。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学


たまに好きなお菓子が出るとそれを毎日食べてしまいます。ちょっと前は”茎わかめ”を、その前はドライマンゴー(セブ島の物に限る)を主食のように食べてたんですが、最近はこれが大好き。
朝フルーツと書いてありますが、朝といわずモリモリ食べてます。
パパイヤ、バナナ、パイナップルの3種類があるんだけど、パパイヤが一番かな。大小様々なチョコが入ってるのがまた止まらなくなる要因なんだな。麦チョコ原理だわ。

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チョコとフルーツの組合せといえば、以前キットカットのパッションフルーツ味(パティシエ高木監修の)があったんだけど、あれもしこたま食べたなぁ。あれ復活しないかな・・・こういう組合せが大好物なようです。
あと、ハーゲンダッツのクレームブリュレをすごい頻度で食べている。それは確実にデブへの道のりだと自覚はしてるんだけど、止められない。あとお菓子じゃないけど、テンジャンチゲを食べる頻度も日本人にしては高すぎる気もしてる。
でも好きなもの食べてるときって幸せなんだよな?
特に今週は多忙につきコンビニ食が多いので、手近な好物に走りがち。早く一段落させて、ゆっくり旨いもん食べたいや。

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もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
ニコルソン ベイカー Nicholson Baker 岸本 佐知子
白水社 1996-08
評価

by G-Tools , 2007/09/19




これは判断の難しい本ですなぁ。
ひと言で言うと、”知的ポルノ”ですかね(笑)。
出会い系の電話番号(日本で言うところのテレクラかな?)でつながった男と女の会話だけで成立している本。
もちろんそういう番号だけに会話はいやらしいほうへと向くわけだけど、それを置いておいて、会話だけで一冊読めてしまうという文章の構成力は流石だと思う。
ベイカー独特のユーモアが満載で、『中二階』同様面白いことは確か。ただいやらしい会話に耐えられるか否かは個人次第だなぁ。
まぁ、私は全く平気だったけど。ただ電車の中で読むには、周りの人の視線がつい気になってしまう本。文面が視界に入ったら、一体に何を読んでるんだ?って絶対思われるだろうから(笑)。
そしてこれもまた、翻訳者の苦労が偲ばれる本だわ。
私はニコルソン・ベイカー好きだわ。

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めぐらし屋
堀江 敏幸
毎日新聞社 2007-04
評価

by G-Tools , 2007/09/18




なんて素敵な本!!読みながら、文章の素敵さに感動する本ってなかなか出会えないのだけど、3年ぶりぐらいにに出会えた!!
1ページごとに「しゅてきっ!」と心震えるフレーズが現われる。それぐらい素敵な文章で綴られている本。言葉のセレクトが素敵。本の薄さが恨めしいほど、心地よい小説です。

父親が死んだ後のアパートを片付けていた蕗子さん。父親の遺物の中に見つけた大学ノート。そこには蕗子さんが幼い頃描いた傘の絵が貼られていた。自分でも忘れていた傘の思い出。幼い頃に別れてしまった父親との些細な思い出。そして、その父親がやっていたと思われる”めぐらし屋”と呼ばれる活動。
異常なほど低血圧な蕗子さんが頑張って血をめぐらしながら、父親のめぐらし業を継ごうとする物語。

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きつねのはなし
森見 登美彦
新潮社 2006-10-28
評価

by G-Tools , 2007/09/13




数日前に読み終わったものを既に思い出せなくなっているのが怖いわ。おぼろげな記憶を頼りに・・・
これまでの森見さんの作品とは一味違った感じ。京都の幻想的な舞台は変わってないんだけど、コミカルさがなくて、ホラーに近いほうの幻想的な話でした。
狐のお面、胴の長いけもの、骨董品屋の芳蓮堂・・・これらのアイテムを絡めて紡がれた、ちょっとゾッとする話。狐憑きなのか、得体の知れない獣の仕業なのか、ふっと違う世界に引き込まれる人々。
骨董品屋に入ったときに感じるあの身構える感じや、骨董品や図書館の古い本とかに手を触れるのをためらう感じっていうの?古いものってどんな時間や人の手を経てきているかがわからないので、なんか不気味さがつきまとう、その感じが濃い本。

不可思議なことを描いているのは同じなのに、『夜は短し歩けよ乙女』と全く違う印象を作り出していて、この作家青年のチャレンジ精神というか、作家としての前向きさを感じますね。
例えば、画家が同じ対象物を何枚も何枚もアングルや手法を変えて描くように、この人は同じ事象を繰り返し描いている気がします。
いつ、このモチーフから離れるのか、それも楽しみです。

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ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
桜庭 一樹
早川書房 2005-10-07
評価

by G-Tools , 2007/09/03




すごく単純だけど、いいよね、この表紙。ま、まんまなんだけどさ。
でもちょっと桜井亜美に見間違えそうでもあるね、それはあんまりだな。

これはSFに属するのかな?ファンタジーかな?
これまで読んだ桜庭一樹の作風とは全然違ったので、意外な感じがした。ライトでした。
1人の少女が時空を逃げ回る。中世では1人の少女を救い、未来では絶滅種として現われ、そして、現在。”システム”と呼ばれる世界の仕組み。たまたま時空の穴に飛び込んだ少女は時空管理人に追われながら、いくつかの時代に逃げ込み、その世界に未知の存在として現われる。

なんだか今まで読んだことのある色んな本(例えば、『アイの物語』、『時を架ける少女』、『犬は勘定に入れません』などなど)がフラッシュバックしてきたけど、どの時代も面白かったし、現在に戻ってきた時にはなんだか泣きたくなっちゃったよ。

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