3月忙しかった・・・ほぼ毎日タクシーで帰宅していたので、本が進まなかったわ?朝の通勤時のみ読んでいたので半月以上かかってしまった。ちょっと落ち着いたので、またちゃんと本と向き合おう。忙しいときは気持ち半分で本を読んでいる気がします。
とっても静かな小説でした。
インディアナに暮らす独りの老人、ノア。
誰もいなくなった古い家で、物思いにふけるノア。それは追憶であり、幻想であり、今の憂いであり・・・彼の思いの欠片を集めていくと、彼の人生が見えてくる。
劇的な展開があるわけでなく、心揺さぶられる衝撃があるわけでもないが、心に響く何かがある小説です。
ちょっと普通の人とは違ったノアだけど、彼は彼なりに人生を楽しんでいたことや、愛する人との美しい日々があったこと、そして一人になってしまった今も、それほど不幸ではないことが感じられる。寂しさが全編に漂ってはいるけれど、私はノアを不幸だとは感じなかった。その気持ちは小説の後半に行くにしたがって確信できた。みんな先に逝ってしまったけれど、彼は皆に愛され過ごした記憶に満ちているんだもの。そう遠くない日、皆がいってしまったところにノアもたどり着けるはず。