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SOSの猿
中央公論新社 2009-11-26
評価

by G-Tools , 2009/12/31






う?ん。
前回の『魔王』に続き、これまでの伊坂エンタメ作品にくくりにくいストーリーでした。
いや、思いっきりエンタメ作品なんだけど、なんだかすっきりしない。
日常の落とし穴的な恐怖というか、そんな怖いことがすぐそばで起きてる可能性あるの!?っていうそれこそ隣の部屋では何が起きているか分からない、そういう自分の世界に置き換えるととんでもなく恐ろしい事態をさらりと描くよね?っていうところは相変わらず。

思えば、伊坂作品って軽快な文章につい忘れがちだけど、結構黒いんだよね・・・いや灰色?
伊坂さんが一貫して書いているのって、社会のグレーゾーンなんだな。
今回の作品でも言っているように、たとえば「必ずしも暴力は悪いのか?」とか、「100%悪い人とか、100%いい人とかっていない」っていう、すべての大人が答えに窮するような、グレーな社会通念。
それを今回は、でっかい猿が突きつけてくるわけですよ、大人たちにね。

因果関係を探るお仕事の五十嵐さんだとか、悪魔祓いを副業とする二郎君だとか、面白キャラは出てきて、面白いのは面白いんだけど、いかにせん、『西遊記』が分からん。
『西遊記』、読んだことないし、ドラマとかで見たこともないんだもん。
何で猿の話なんて面白がって見なきゃならんのだ!って幼い頃に先入観を持ってしまったので、いまだによく知らない。『ドラゴンボール』別だけど。
だから、散りばめられた『西遊記』アイテムが全くピンとこない。
そのせいか、物語がややこしくって。
それに最近ちょっと文章がくどくなった気がする。
俯瞰的な描写も、村上春樹の『アフターダーク』みたいであんまり好きじゃない。

空き巣の黒澤が懐かしい今日この頃です。黒澤は今いづこ?
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ちんぷんかん (新潮文庫)
新潮社 2009-11-28
評価

by G-Tools , 2009/12/31






ああ、鳴家が欲しい・・・としゃばけシリーズを読むたびに思います。
かわいすぎる。特に今回は鳴家の登場シーンが多くて、ほっこりしました。
挿絵は少なくて残念だったけど。

内容は、期待通り面白かった。
今回は、ちょっと切ない話が多くて、シーズンが春のせいか、別れのテーマが多かった。
桜の花びらの妖なんて、切なかったわ?小紅ちゃん。
小紅ちゃん以上に、いつもそばにいて当たり前の仁吉と佐助との別れの時を考えさせるくだりがなんとも。
一太郎の長生き以上にしゃばけシリーズが長く続くことを願います。

次の文庫はいつ出るのかなぁ。

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哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット)
高橋和久
早川書房 2008-01-26
評価

by G-Tools , 2009/12/23




ん?面白い。
構造だけでなく、メインの内容である一公衆衛生士の挿話なるものも面白く、イラストも味わい深くて、なかなかに読み応えがありました。
構造としては、ある古書を見つけた著者。そこに書かれた衝撃的な内容をただのフィクションではないと考えて、フィクションではない証拠を添付しつつ、その古書を編集する。そこには、ある医師が自分の妻に当てて描いた内容、そしてそれを読んだ妻がこの本について言明した内容が入っている。

医師が書いた内容とは、自分の妻ベラ・バクスターがフランケンシュタインさながら、ある天才医師によって蘇生された人間であるということだった。妊娠中に自殺を図った若い女。天才医師は自分だけのものになる女性を欲し、その母親の身体に、胎児の脳を移植した。その結果、中身は純粋無垢の成人女性が完成したわけだ。その天才医師の友人であった医師が、いかにして彼女と出会い、結婚まで行き着いたかを、真実を知らない妻にあてて書いたのが大部分の内容。でも、世界に一冊の本として自費出版したこの本について、当の本人である妻は、全てを夫のたわ言として処理している。
果たして、真相は?
どこからどこまでが、うそなのか、はたまた全てが本当なのか?
読者は誰の言葉を信じるのか?
なかなかに面白い。

それぞれが書いた文章に矛盾点、正常とは思えない理論などがあって、どっちの書いていることも嘘のようなんだけど、そんな疑惑を著書であるグレイがまた正当化したりして、全くもって悩ましい本。

よく出来た本です。

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夜をゆく飛行機 (中公文庫)
中央公論新社 2009-05
評価

by G-Tools , 2009/12/02




角田さん、再婚おめでとうございます。
てか、離婚していたのをしりませんでした・・・
やはり恋多き作家というのはいいですよね。


久々に角田ワールド、せつなファミリーの話を読んだ。
なんだか、いつも「そこをつくかぁ」っていうところをつかれちゃうんだよね・・・本当に角田さんの描く家族って、切ない。
今回は、4人姉妹のいる酒屋の下町ファミリーが描かれているんだけど、その漫画みたいな家族を家族の一人が本にしちゃって、新人賞とかとっちゃって、少しずつ家族が変わっていく話。
バカみたいにのん気な家族のように見えても、ひとりひとりが色々と抱えていて、子どもの成長とともに、家族なんてどんどん変わっていってしまう。ずっとそこにあるものだと思っていた家庭っていうものが、永遠ではない。そんな当たり前なんだけど、気づかないでいてしまいそうな、家族の在り様を絶妙に描いています。

そりゃ小説だから多少はキャラがたった登場人物だけど、でも、やっぱりどこにでもある家族の形だと思うんだよね。高校を卒業する年頃の娘の視点っていうのが、上手いところで、それまで当然あると思っていた家族の庇護が薄れていくのを感じる年頃なんだわ。そうして、自分の親も姉もみな、一人の人間として弱いところも理不尽なところもある、自分と同じような人間なのだと気づく。
気づいた後の人生のいかに心細いことか。そして、それでもそばにいる家族のありがたいことか。
そんな家族に対する色々な感情を刺激されます。

居場所がない気がして居心地が悪いときもある。近すぎてうっとおしいこともある。
恥ずかしい。憎たらしい。顔も見たくない。
色々な想いが詰まっている自分の家族。
でも、いてくれてよかったという瞬間がきっとあるはず。
家族って、存在そのものが思春期みたい(笑)。

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