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バイバイ、ブラックバード
伊坂 幸太郎
双葉社 2010-06-30
評価

by G-Tools , 2010/09/18




またまた地味だけど何故かモテる男の物語だ。
とはいえ、もちろんそれが小説の核ではない。

星野一彦は、なんらかの事情により返せない借金を抱え、
それが原因であるバスに乗せられ、
どこかへ連れて行かれることになった。
どこで何をさせられるのかわからないまま、
その日までの間に、身辺を整理することにする。
それが、付き合っていた女達との別れだった。

一人一人との出会いの場面、そして別れの場面。
監視役の繭美、推定180cm180kgの怪物みたいな女と
彼女と結婚することにしたという理由で、それぞれの女と別れていく。

それぞれの女とのエピソードをどれだけなぞっていっても、
結局星野ちゃんの生態がわからない。

これは50人の読者のために書かれた短編なのだそう。
50人の元に、郵便で小説が届くんですって。
世の中に出ていない小説が、それも伊坂幸太郎の書いた小説が
自分家のポストに届く、そういう企画から本になったそう。
選ばれた読者は幸せだったでしょうねぇ。
素敵な企画だわ。

ま、そういう企画ありきなので、星野ちゃんの生態がわからないと
文句を言っても仕方ない。
出会いと別れ、そして新たな希望。
それがあれば十分なんだと思う。


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変愛小説集2
岸本 佐知子
講談社 2010-05-28
評価

by G-Tools , 2010/09/11




2008年の夏に第一集が出された”変愛小説集”。
翻訳家の岸本さんが出会った、一風変わった恋愛小説を集めたアンソロジーです。
2作目も面白かった!!どの物語も秀逸でした。

冒頭の『彼氏島』。海で遭難事故にあった女性がたどり着いたのは、イケメン男性ばかりの島。
(今やってる映画『東京島』の逆?)夢のような(?)社会で彼女はいろんなタイプの男性と付き合ってみる。が、彼女がやがて達する結論というか、選択は意外にも・・・
ギャルっぽい口調で語られる物語は、軽いようでなかなか鋭い真理を突く。
とてもよくできた物語。

あと印象的だったのは、ある日自分の妻が木製のマネキンだったことに気づく男の物語『マネキン』。
妻へ向けた手紙という形で綴られる男性の思い。そんなバカな!と思いつつも、ちょっと恐ろしくもあり、切なくもあるから不思議。盲目的な恋愛当初には気づかない相手の姿というのは、少なからずみな経験があるはず。そういう誰にも起こりそうな愛があったからこその悲劇をこういうユニークな形で描くのがいい。

他にも体中から歯が生えてくる妻の話『歯好症(デンタフィリア)』や、あらゆる”彼女”というものの習性を手短かつ辛らつに並べた「『人類学・その他 100の物語』より」など、笑って読めるものあり、切なくなるものあり、でかなりバリエーション豊かで、楽しめます。

世界にはユニークな作家さんがいるもんだと、岸本さんが教えてくれるありがたい一冊。

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猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)
平出 隆
河出書房新社 2009-05-30
評価

by G-Tools , 2010/09/02





古い家屋と手入れされた広い庭。
その周りには稲妻のようにジグザグな小路があって、
隣家には古くて立派な欅の木があって・・・
車が入ってこれず、しかもその特殊な形の小路のために
近所の動きも筒抜けじゃない、
いかにも日陰が気持ち良さそうな場所。
広い敷地内にたつ離れに間借りしている夫婦。
その夫婦と庭に遊びに来る子猫との交流を描く。

猫と初めて触れあう人というのは、こんな風にして
猫の魅力を知っていくものなのかと、今さらながら新鮮でした。
幼少期から猫キチの私には、当たり前のこと過ぎてあまり共感はできなかったけど、
猫ってやっぱり心の隙間にズイっと入ってくるよな、と頷ける。
猫のいる生活、いなくなった生活、その喪失感はよくわかる。
飼い猫が死んでもう数年たつが、今でもまだ実家に帰ると
机の下を目が探してしまう・・・そんな風にカラダに染み付いてしまう。

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