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観てきました。

舞台が素敵。
コクーンのステージは奥行きがあっていい。
コンクリートの打ちっぱなしのような無機質な室内。
左右に扉が3つずつ。
さらにその間の柱の影から出入りができるようになっていて、
ダンサーたちが出入りする。

ソファーやスタンド、食卓などをダンサーたちが
シュルシュルと動かして場面を転換する。

役者は、4人。
母と姉弟、そして弟の友人。

父親に捨てられた家族3人。
一生懸命子どもを育ててきた母(立石涼子)は、世話を焼きすぎる。
極端に引っ込み思案な姉(深津絵里)は世間になじまない。
閉塞的な家にうんざりし、家出を企むストーリーテラーである弟(瑛太)。
そして、姉に紹介しようと連れてきた友人(鈴木浩介)。


社会から置いておかれている家族の閉塞感。
行き場のない不安と焦燥。
そういったものをしっかりと描く空間。
見ていて息がつまる。
うまくいかない人生。
誰か私を連れ出して!というそれぞれの叫びが充満する。

長塚圭史の演出はいつも暗すぎてキライだけど、
これは結構好きでした。

舞台美術とダンサーが良かった。
セットの置物たちの足元が全部白く塗ってあって、
部屋と一体化しているような細かいセットとか素敵。

あと、鈴木浩介さんは本当に昔のアメリカ人みたいで面白かった。
この家族にとっての希望の綱はあっさりと家を出て行ってしまう。
そういう絶望感というか、あきらめが切ない。

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何というタイトル(笑)。
これは解剖学にいそしむ学生たちが解剖時に口ずさむフレーズ。
学生たちは、それだけでなく解剖のABCの歌を歌ったりしている。
なんてユーモラス。

まだ医学がすすんでいない17世紀。
ロンドンの私設解剖学教室では、6ヶ月の胎児がいる妊婦という
大変貴重な遺体を前に解剖が進んでいた。
そこへ、取締りの手がやってきて、あわてて遺体を隠す学生たち。

まだ解剖が学問として確立されておらず、
遺体がなかなか手に入らない当時、墓暴きから遺体を買い取って
解剖を行っているのだ。

そして、隠し場所の暖炉から出した遺体はなぜか四肢を切断された少年の遺体に変わっていて、
さらにもう一体、顔を潰された遺体も出てきて、一気に解剖学教室は謎に包まれる。

解剖学に熱意を捧げる師とそれを支える優秀な学生たち。
しかしこの崇高な解剖学教室を一歩出れば、
そこは貧しくすさんだロンドンである。
スリや強盗に合わずに道を歩けるのは奇跡のような街で
盲目の判事と美目麗しく優秀な学生たちが繰り広げる謎解き。

ミステリーの魅力は登場人物の魅力にも等しい。
このミステリーでは、この学生たちをはじめ、判事の仲間たちなど
魅力ある登場人物が多く出てくる。
扱ってるのが解剖じゃなかったら、コミックにしても見たいくらい。
そして、あちらこちらにちりばめられたどんでん返し。
何回も展開があって、なかなかに油断できない。
面白かったです。

読ませていただき光栄でした。



テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


photo
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
沼田 まほかる
幻冬舎 2009-10
評価

by G-Tools , 2012/03/05



まほかる2冊目。

8年も前に別れた男のことを忘れられず、
働きもせず、日々を怠惰に生きる十和子。
陣冶という10以上歳の離れた冴えない男と暮らし、
その男を憎悪し、虐待しつつも依存して生きている。

いかに陣冶がダメな男か、読んでいて眉間にしわがよるくらい丁寧に描写される。
確かに気持ちのいい男ではない。
ならば、なぜ十和子はこの男から離れられないのか。

読み進めるうちに、十和子の闇が見えてくる。
陣冶が病んでいるのか、十和子が病んでいるのか…
二人の間に一体何があるのか。


陰湿。
女の暗い面がじっとりと描かれている。
客観的に見て、この十和子という女は非常に不快だ。
だけど、その不快さが自分の中にも潜んでいる一部のようで十和子から目が離せなくなる。
バカな女、ひどい女、ろくでもない女。
認めたくないし、拒絶したいのに、十和子と共鳴してしまう部分が自分の中にある。
そういうところをまほかるさんはえぐってくる。


読み終わった後の哀しさといったらない。
十和子も陣冶も哀しすぎる。
惨めだ。惨めすぎて涙が出る。
陣冶の愛さえ惨めだ。

人間がいかに惨めで滑稽か。
それでいてこんなにも深く人を愛せるのかと。
怖い本ですわ~価値観が揺らぎます。

「容疑者Xの献身」とも似てるけど、
より肉感的で、人の温度や匂いが感じられる本。

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