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幸福な遊戯
角田 光代
角川書店 2003-11
評価

by G-Tools , 2007/06/08



『幸福な遊戯』、『無愁天使』、『銭湯』の3編。
表題作『幸福な遊戯』はデビュー作だそう。
これを読んで、ようやく角田さんという作家さんを理解できたような気がする。これまでいくつかの作品を読んで、ふいを衝かれるようにスコーンと暗くさせられてきた。自分の中の暗部を突っつかれて唖然とするというか・・・それがこの本でようやく、ああこの人はこういう本を書く人なんだと納得できたような。
角田さんは幼少期を不幸に過ごしたに違いない。それも取り立てて不幸な家庭や環境にあったわけではなく、感受性が鋭いがために不幸に感じて育ったんではないだろうか。
家族との些細な傷つけあい、同級生たちとの心理戦。毎日何かにおびえながら、いつか、ここではないどこかへ行けると信じて生きているような。
彼女の描く人物は不幸ではないけど、決して幸福ではないんだよね。
この本の中の短編の主人公それぞれがそう。
『幸福な遊戯』では、友人と作り上げた擬似家庭の崩壊を前に立ちすくむ女性。
『無愁天使』では、母親の死を消化できなくて壊れたように買い物をする女性。
『銭湯』では、自分がそうありたいと願う女性像を空想しながら、現実を生きる女性。

3人とも薄ら寒い。正直、怖い。でもやっぱり他人事とは思えない。
対岸の彼女』のように泣きはしなかったけど、哀しい気持ちでいっぱいになってしまった。
普段は意識しないのに”幸せになりたい!”と強く願ってしまう。
恐ろしい作家だわ、角田さん。
そう感じるのは自分が幸福ではないからなのか、それとも女性の本能をむき出しにされるのか・・・
結婚して子どもを持ったとき、彼女の作品をどう感じるのだろうか。
しかし、つくづく女性向けの作家だと思う。
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