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つきのふね
森 絵都
角川書店 2005-11-25
評価

by G-Tools , 2007/06/08




初・森絵都。
後書を読んでみると、中高生向きのヤングアダルト小説という言葉があった。
なるほど。確かに途中、稚拙さが気になるところがあったな。
稚拙だなーと思いつつも、終盤思わず涙腺やられてしまった。
まっすぐなのね、なんか。純粋さとか一生懸命さとか、遠い感覚だけど、いいね。
なんていうのかな、文章自体まっすぐな感じ。
例えば、恩田陸とか角田光代とか大人の女が描く思春期っていうのとは、違う。郷愁を感じない。
思春期を思い起こさせない。
これはファンタジーだ。
「植物になりたい」というさくら。
ある出来事をきっかけに親友の梨利と絶縁している。
その梨利が大好きでずっとつきまとっている勝田くん。
さくらと梨利が絶縁してから、勝田君はひとり二人を仲直りさせようと奮闘する。そして、ひとりになってしまったさくらが頼っているのは、智くんという年上の男の人。
さくらのSOSを感じ取ってくれた智くんは、優しいけど、ちょっと壊れてる。人類のために宇宙船を作ろうと必死になってる。
さくらと梨利の仲直りもうまくいかないまま、梨利は家に引きこもり、智くんはどんどん心の病が悪化していく。大事な人を救いたい!中学生のさくらと勝田くんの切実な願いがラストを駆け抜ける。

親友を失ってしまっただけで、「植物になりたい」と思う少女の世界の狭さがちょっと空恐ろしい。
もはや親の世代に突入している身としては、「家族なんていなくて全然大丈夫」とさらっと書かれていることが怖い。
思春期に親が助けになることなんて、確かにない。だけどここまで大人が出てこない小説は不安だ。小説全体の雰囲気にもドキッとするけど、ラストの智の手紙にもドキッとする。

?ぼくはとうといですか?

私は尊いですか?アナタは尊いですか?
誰かにとって尊いものでいられてますか?
こんな恐ろしいメッセージを投げかけている森絵都、恐るべし。
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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学



















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