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サウンドトラック〈上〉
古川 日出男
集英社 2006-09
評価

サウンドトラック〈下〉 by G-Tools , 2007/06/08


疲れた?。ようやく読み終わったよう。
すごいよ、本当に古川さんは。とにかくずーっと走らされてる気分。
止まらない小説。疾走小説・・・。
読んでる間にアタマに浮かんだ感覚、”疾走感”、”濃密”このふたつのフレーズがまさに解説者の柴田氏によって語られていた。本当に、この小説を表すのにふさわしい言葉だと思う。それどころか、古川氏本人がこの小説を「疾走小説」と名づけている。伝わったよ、疾走感。グッタリするほどに。

舞台はそう遠くない東京。ヒートアイランド化した東京はスコールに襲われ、江戸川は不法侵入の外国人の住処となり、西荻窪では外国人排斥運動がヒートアップしている。
無人島で出会った二人の子ども、トウタとヒツジコ。それぞれ別々に東京に上陸し、それぞれの形で静かに戦闘を始める。
そして、ニッポン人ではないレニ。地域によって自分の性を切り替え、レバノンと呼ばれる神楽坂に生きる。熱病とスコールに犯される東京で、たくましく生きる子どもたちが東京を滅ぼす。
描き出される状況は池上永一の『シャングリ・ラ』に似てる。図らずも、昨日見た映画とも近い状況で、私のアタマの中で世界は滅亡に向かってしまっている。そのせいか、仕事の意欲が下がる一方・・・
ま、それは放っておいて、とにかく小説としてすごい本です。なんて言うんでしょう、映画的。とても。古川氏のアタマに浮かんだ、いや想像した(?)ビジュアルをドワーッと放出されてます。スコールのようなその勢いに飲まれながら読むしかない。
描かれるカオス。純血の日本人であるトウタとヒツジコが外国人と女子高生とカラスとを味方にして、東京を滅ぼす、その手法。それは、映画であり、ダンスであり、サウンドレスである。
多分、全く私の感想はハチャメチャだけど、ダンスを踊るガールたちが中央線の高架を破壊し、”傾斜人”たちとレニとトウタが東京を沈没させる、そんな話(笑)。って、何だソレ。

この話で一番お気に入りがカラスのクロイ。レニが馴らしたカラスはレニとコミュニケートできるし、肩に乗ってくれるし、助けてもくれる。実は私、カラスが好き。幼い頃から自分に忠誠を誓うカラスが欲しくてしょうがなかった。私の一番の夢想をレニが実現してしまっている。うらやましい・・・。

うまい感想を書く自信が全くないので、古川氏の熱い言葉を引用しよう。

   
煮えたぎった想像力に、暴走した言語感覚に、自らのそれに、2006年の俺は感謝する。 (中略)
俺という一人の人間は苛立ち、例えば鴉たちのために、決死の念い(おもい)で歌おうと誓った。この小説には、ある意味では統御というものがない。そして、その事実を、今の俺も是とする。 (中略)
もしフルカワ紀元というものが存在するならば、そのゼロ年は、この『サウンドトラック』が上梓された年にある。
歌はここからはじまっている。

もしも世界が俺たちを祝福しないのならば。
俺たちが世界を祝福しよう。
その勇気の形を、是としよう。


すげぇ・・・かっちょいい。。。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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