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ララピポ
奥田 英朗
幻冬舎 2005-09
評価

by G-Tools , 2007/06/08




この本の表紙は黒い紙。鍵穴が空いてます。表紙をはらりとめくってニヤリ。そこに描かれているのは所謂春画っていうやつです。鍵穴から人の情事を覗く構図になってるんですねぇ。上手いなー。さらに帯には”いや?ん、お下劣!※紳士淑女の方にはお薦めしません”という作者からのメッセージが(笑)。これだから奥田英朗はやめられない。
内容はもちろんお下劣。階上の住人のセックスを盗み聞きする対人恐怖症のフリーライター。女子高生の買春にのめりこむ官能小説家。主婦AV女優・・・。冴えない人生を送る人たちの滑稽な短編集。

みんなコンプレックスを抱えながら、それなりに生きてる。でも、ダメなヤツって必死だと余計滑稽になっちゃうのね。空回りしてる人を描かせたらこの人の右に出る人はいないでしょう。
そんでまた、ダメダメな登場人物たちのどこかに自分とかぶるところがあるはず。そこが他人事じゃないんだよね。自分で思ってる人物像ははたから見たら、思ってる自分とは違うっていうのかな。その主観と客観のバランスが絶妙!
特に1話目のフリーライターの章は巧妙だった。
彼が必死になって天井の音を聞き取ろうとするところなんて、おっかしい。椅子置いて、さらに雑誌で高さを足して、グラグラしながらコップを天井につけてる様が浮かんで、ニヤニヤしちゃった。

でも本当に下ネタを嫌いな人は読まないほうがいい。
特に女性の章はちょっと痛々しいというか、想像させないで!っていうエグさがあるし。きもっ!っていう、ね。デブ専とかババ専とか出てくるから結構キツイ。
でも、お下劣なお笑い小説っていうだけではなくて、結構ブラック入ってる。状況的にはかなりブラックなんだけど、当事者たちがそう感じてないのが、また滑稽さを足してるんだな。
こんな最底辺で生きていても、それなりに幸せなんじゃないかと思ってしまう不思議な愛情が注がれてる。

『ララピポ』というタイトルも上手い!、"a lot of a people"・・・確かに”ララピポ”って聞こえるし、その意味そのものがこの本を表しているし、"a lot of a people"がララピポって聞こえてしまうところにも意味があるような気がする。意味のある言葉の羅列が意味不明の単語に聞こえる。人っていうのもそういうところあるよね。
これは『イン・ザ・プール』以来の衝撃作かもしれない。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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