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幸福な食卓
瀬尾 まいこ著

「図書館の神様」「天国はまだ遠く」に続き瀬尾さんの作品3冊目。
これまでで一番好き。
これまでの2冊にも優しさが溢れているんだけど、登場人物があっさりしすぎていたり、優柔不断に見えたりと気になるところがあった。でもこの本を読んで、そのブレみたいなものがピタッと焦点あった感じがした。

4人家族の末っ子である佐和子の目線でちょっと変わった家族の日常が描かれている。
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」 出だしからクスッとしてしまう文章。
突然父さんを辞めた父親、何にも動じずわが道を行く兄・直ちゃん、家族と離れて一人アパートで気ままに暮らす母親。朝食は必ず家族揃ってとり、相談事は朝食の席でというのが4人の決まりだった。

佐和子と他の家族のやりとりを読んでいると、とても幸せそうで穏やかに見える家族だけれど、日々の出来事を通して語られていく家族の姿は実はとてもあやうい。それぞれが心の不安や負担を隠し通すためにどこかが歪んでしまっている。
あまりに優しすぎて、そういう感情をぶつけ合えなかった家族。
風変わりながらも平穏を保っていたつもりだった家族が、その歪さに気づきはじめ、家族は変わっていく。
簡単に言ってしまえば、穏やかな家庭崩壊と再生の物語である。
でも、そう言い切りたくないような、独特の優しさに包まれたお話だ。
父さん、母さん、直ちゃん、佐和子。みんな優しくって愛おしい。

佐和子の”救世主”たる大浦君の悲劇は何で?って思ったけど、他人との新しい関係性ではなく、家族同士で築かなければならない関係の大切さを作者は言いたかったのかなと納得。
哀しいけれど、温かい。やさしいけれど、切ない。
それでも佐和子の家の食卓がちょっとうらやましい。
やはり食卓って家族の象徴なんだな。

瀬尾さんの描きたいことがバシッと描かれている本な気がするけど、どうなんでしょう? 次には「優しい音楽」が控えているので、これまた楽しみですが、「村田エフェンディ滞土録」に続いて泣きが入ったので、一旦違う路線にいこう。現在「グランド・フィナーレ」読書中。

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幸福な食卓発売元 本を読む女。改訂版【2005/12/06 23:14】
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