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不思議のひと触れ
シオドア・スタージョン 大森 望
河出書房新社 2003-12-22
評価

by G-Tools , 2007/06/08




輝く断片』に続き、2冊目を読んでみました。
『輝く断片』に比べて、かなり読みやすい。そして面白い!!スタージョンさん、すごい!
10の短編が入っているんだけど、どれも違ってて、コージーミステリー、SF、ホラー、ファンタジー・・・とどれを読んでも面白い!
かなりお薦めの一冊。私にしては珍しく短編のあらすじなんぞを描いてみちゃう。

『高額保険』
貨物係の男が高額な荷物を盗もうとして、見つかって、もう終わりだ・・と思った後のどんでん返し。ショートショート。肩慣らし的な一遍。
『もうひとりのシーリア』
これは、なんとなく先が読めるんだけど、面白く読めてしまう上手い話。人の部屋を物色するのが趣味の男。その人の部屋へ入って生活パターンを把握するのが趣味。そんな男が住むアパートに新しく来た住人シーリア。ごくごくありふれた外見の彼女の部屋は全く生活した跡がない。しかし根気よく彼女の部屋を物色する男は徐々に彼女の痕跡を見つけていく。そして見つけた不可解な物体。我慢ができなくなって、覗き穴を作り、ついに見てしまう彼女の正体・・・。
『影よ、影よ、影の国』
これはちょいホラー。継母からの冷たい仕打ちを受けながら、1人影絵で遊ぶ少年。彼は影の国へと逃げこんで、現実世界から逃避していたのだが、ある日、少年の影の国が思わぬ結果をうむ。
『裏庭の神様』
裏庭に池を掘っていた男が見つけた変な置物。それはなんと神様だった!不細工な神様が男に与えた罰は「本当のことしか言えなくなる!」これって結構大変なことだぞっていう、コメディータッチのショート。
『不思議のひと触れ』
”平凡な人生は本物じゃない””そんな人生に不思議のひと触れが加わると本当の人生を生きられる”誰にでもそんなひと触れがあるのではないかっていう、素敵な話。ある人と待ち合わせて岩場に泳いできた男。うっかり目当ての相手だと話しかけたのは、また違う相手を待っていた女性だった。お互いの待ち人の共通点を知った時、2人の人生が本物になる。
『ぶわん・ばっ!』
ジャズ小説っていうカテゴリーがあるのか知らないけど、あとがきではそう括られていた。”どうやったらスターになれるんだ?”そんな質問をされたドラマーが語る、天才が生まれた話。タイトルどおり、スイングしている小説。
『タンディの物語』
これはちょっと怖い。SFですね。自分の子どもが普通の子と違うと分かる時って怖いなぁと思わせる。
『閉所愛好症』
コレ好き!これもSF。あたまデッカチで消極的な兄と行動派のスペースマンの弟。何をやっても弟には敵わないと思っていた兄。新しく来た超イケてる下宿人の女が彼の人生を変える。スペースマンとしてふさわしいのは誰か?彼女は真のスペースマンを探して来たのだった。タイトルが絶妙!
『雷と薔薇』
社会派。核戦争が起きた国に残された人たちの最後の戦い。打ち込まれた多数の爆弾。それ以上の数の爆弾を所持していたのに、一切打ち返さなかった国。そこに残された兵士たち。放射能に汚染されたその国で一日一日死に向かっていく人たち。ある日生き残ったスターが慰問公演にやってきた。彼女が伝えたかったメッセージ、果たそうとしていたこと。残された命をかけてまで彼女が果たそうとしたことは、人間として正しいことなのか・・・。
『孤独の円盤』
これも良かった。ちょっとウルッと来ちゃう。
ある日円盤が自分の頭に降りてきた女性。大勢の人にそれを目撃された彼女はFBIにマークされ、何故か刑務所に入れられ、一躍時の人となり、その後の人生を狂わされてしまう。”円盤は何のメッセージを持ってきたのか?”それがみんなの知りたいことだったが、彼女は口を閉ざしていた。それでも周囲の扱いに耐えられなくなった彼女はメッセージを入れた瓶をいくつも海へ投げた。それもやりつくした後、彼女は死を選ぶが、男に救われる。彼は彼女の投げたメッセージを受け取り、彼女を探してきた男だった。
このメッセージがいいの。孤独な円盤が残したメッセージ。


やっぱりスタージョンはモテナイ、デキナイ、そういう男が好きみたい。うだつのあがらない男っていうの?『輝く断片』はそういう男たちの悲哀が多かったけど、こっちは希望があったな。人生大逆転じゃないけど、一発逆転的なストーリーだったので、なんだか幸せになれます。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学



















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