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トリップ
角田 光代
光文社 2007-02-08
評価

by G-Tools , 2007/06/08




お肉屋さんやお豆腐屋さんがある商店街。町を流れる川。手をつないで歩いている親子。威勢のいい呼び込み。どこにでもある町の風景がここにはあって、商店街の舗装された通りのレンガのひとつひとつ・・・その中にちょっと浮いてるレンガがあって、かならずそこでつまづいちゃうの(笑)。そんな日常のありふれた断片が思わず見えてきそうな、そして、子どもたちの声とかお店から流れる有線の音とか、そういった町の雑音も聞こえてきそうな本。
雑多な人たちが形作っている“町”も、その構成員である個人に焦点をあてたとき、こんな風に意外な秘密があるのかもしれない。いや、あったら楽しいなぁ。

なんだってこんな趣味の悪い店をやってるんだろう?って思うおばちゃんが1人で切り盛りしているような薄暗い喫茶店。あるある。でも、妙に居心地が良かったりもするんだよね。
自営業のお店に時々見え隠れするそのうちの子ども。親の仕事を邪魔しないように妙に賢しげで大人びてる男の子。いるいる。
この人は一体、何の仕事をしてるんだろう?昼間っから商店街をうろうろしてるなんて・・・っていう男の人。いるいる。
自分の町で周りを見渡せば、確かにいるはずな人たち。もしかしたらこの人はこんな生活をしてるんじゃないかなぁ?って想像しながら描いたのかな?
この本に書かれている人たちは、みんななんとなく自分の生活に満足していない。でも、こうして読んでみると、彼らの日常はなんて幸せそうなんだろう。切り取られてしまった自分たちの風景。見慣れたその風景は確かに飽きるし退屈かもしれない。でも、やっぱりそれが生活なんじゃないかと思う。みんな“今の自分とは違う自分”を想像しながら生きてるんだね。
でも、みんながみんなその人の人生の主役なんだなって、当たり前のことを思う。
不幸せと紙一重の幸せ。そのギリギリのところをよく角田さんは描いている気がする。そしてギリギリで不幸の方が多いけど、今回は幸せよりかな。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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