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どんがらがん
アヴラム・デイヴィッドスン 殊能 将之
河出書房新社 2005-10-26
評価

by G-Tools , 2007/06/08




このシリーズ、奇想コレクションが結構好き。海外で、ちょっと古くて、SFっぽくて、という作家さんの本ってなかなか手を出しにくいけど、このシリーズはスタージョンしかり基本短編なので、読みやすい。
ただ、もともとの文体が難解なのか、翻訳の段階でこうなってしまうのか、結構読むのが難しい短編も多かった。ちょっとややこしくて、気持ちが離れてしまうとなかなか進まない。そんなわけで、結構読むのに時間がかかってしまった。でも、文章の読みにくさを差し引いても、ストーリー自体の面白さはバツグン!まさに”奇想”!
人間味あふれるスタージョンの作品に比べて、よりファンタジー色が強いというか、幼い頃心惹かれた、異国文学を彷彿とさせる、より幻想感のある作風という感じ。
心に残るいくつかの短編をちらっと。
『物は証言できない』
アメリカ南北戦争以前、奴隷をめぐる話。シニカルな物語の王道。「奴隷は物だ。その奴隷の言うことにどんな真実があるのか?」と言ってはばからない奴隷商人が自らの言葉に足元を掬われる話。

『さぁ、みんなで眠ろう』
地球以外の星でヒトだかヒトでないものだかが生息している近未来。ある星の生命体ヤフーは人類とはみなされず(明快な言語と衣服を持たなかっただけなのに!)、もっぱら遊びのために狩られる対象であった。そのメスは囚人たちにあてがわられ、オスはただただ殺されていた。
獣とみなすなら、なぜ囚人たちは犯すことができるのか?獣でないなら、なぜそんな仕打ちができるのか?ヤフーをめぐる矛盾。ヤフーの絶滅を目前にして彼らを救おうとした学者の悲劇。
思わず沼正三の『家畜人ヤプー』を思い出してしまった。1巻も読破できずに挫折した小説だけど、”人”であることの定義、人でないものの扱い、考えさせられます。

上の2作はこの短編の中でもかなり真面目な小説。あとはもっと軽いです。
『サシェヴラル』
巧妙なショートショート。主観と客観を巧く使ってる奇想な話。こういう話、好きだぁ。

『ナイルの水源』
これは面白いんだけど、読みづらい!2回読んだ。ストーリーは面白い。広告業界の人間がやっきになって探す、ある男が持っていたとされる”ナイルの水源”と呼ばれる流行の種。その男が死ぬ直前にたまたま一緒に飲んでいた小説家は泥酔したアタマで聞いた彼の話をたぐりつつ、その”ナイルの水源”なるものにたどり着くが・・・意外な水源のヒミツ。白昼夢を見させられているような感じの話。


本を読みなれない人にはお薦めできないけど、読んでも読んでも退屈だわっと読書に不満がある方にはいいはず。編者があの殊能将之ってところがまた、癖のある感じ満載ですね(笑)。奇想コレクションはまだ3作目なので、まだまだ読み進めてみよう。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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