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鍵のかかった部屋
ポール・オースター 柴田 元幸 Paul Auster
白水社 1993-10
評価

by G-Tools , 2007/07/09




とても内面的な小説でした。ポール・オースターという名前は聞いたことあったけど読むのは初めて。うっかり推理小説的なものを想像して読み始めてしまったが、全く別のタイプな本でした。

失踪した友人が残した妻といくつかの小説と詩。”僕”は彼の妻を愛し、彼女からも愛され、友人が残した本も順調に売れる。しかし彼の元へ友人から手紙が届く。その内容は、彼がしていることを責めるわけではなくむしろ感謝の意を示し、そして決して自分を探すなというものだった。
「探すな」と言われても彼が生きていることは明らかになってしまった。彼がいたはずの場所に収まる”僕”。そこに馴染めば馴染むほど彼の存在を意識せずにはいられない。そして、結局彼を探す旅に出てしまう・・・。
小説のほとんどが男の内面的な葛藤や彼自身のアイデンティティにまつわる思考。退屈と思ってしまえばそれまでだけど、ああ文学だなぁと思う。文章を描くということ、さらには小説というものは元々こういうものなんだ、という感じ。久しぶりでした。

この本は他の2作と「ニューヨーク3部作」としてとても有名らしいです。まさにアメリカ文学。
例えば、推理小説やSFなど楽しく読む本というのは国籍を問わず、いい翻訳であればその本の魅力を楽しめると思う。だけど、”文学”(こうくくっていいのかはわからないけど)はやはり原語で読むものなんじゃないかなと思う。
その国の歴史的背景、文化、そして言語。それらをわかったうえでようやくその”文学”を理解できるんじゃないかなぁ。
文学部に英文とか仏文とかあるように学問として成立しているぐらいだからね、ちょっとやそっとの知識でこういった本の魅力を理解するのは難しいなぁ。
昔から村上春樹の影響でアメリカ文学に手を出しているけど、歳をとってから読んでみても、やっぱり自分には半分も理解できていないように思う。残念だ。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学





ニューヨーク3部作も「喪失」がテーマのようですよ。
柴田元幸さんの翻訳は好きなほうなんですが、いかにせん自分に知識が少ないのがいけません。
TBしていただいた本も面白そうですね。よりテーマ的には読みやすそうな感じがします。
【2007/07/13 13:35】 URL | momo #-[ 編集]
翻訳小説の歴史的背景、文化など、同感です。
あとはなるべく自分に合う(というのも、おこがましいですけど)、翻訳者を見つけることなのかなぁ。
本は違うのですけれど、私もポール・オースターを読みました(トラバ二つついちゃいました、ごめんなさい!)。
こちらもまた、喪失の物語だったのですが、やはり推理小説として読むものではなく。
momoさんの記事を読んで、「失われている」ということが、ポール・オースターのテーマの一つなのかなぁ、と思いました。
【2007/07/12 23:30】 URL | つな #nfSBC3WQ[ 編集]














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