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中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
ニコルソン ベイカー Nicholson Baker 岸本 佐知子
白水社 1997-10
評価

by G-Tools , 2007/08/27



岸本さんの翻訳本。これ、訳すのに相当時間がかかったろうなぁと翻訳家の苦労を感じずにはいられなかった。こんな小説初めて!とにかく思考がミクロ!!解説にはナノ小説って書かれてたけど、いやいやすごいです。
だってこの1冊、時間にしたら、なんと中二階にあるオフィスに向かうエスカレーターに乗るところから、中二階に降り立つ瞬間までの話なの!
この一連の動きをした主人公の思考があらゆる細部に飛んでいくのだ。例えば、エスカレーターに乗るときの興奮、エスカレーターにのる時の心構え、この時持っていた紙袋に関する説明や経緯、さらには紙袋自体に関する考察・・・思考の一部がさらに違う思考を呼んで、それが注意書きとなって枝分かれしていき、時々小説内で迷子になる(笑)。
読み終わったときに”やっと終わった!”と思わずホッとしてしまった。けど、相当面白い。この主人公の思考そのものが面白い。
ホッチキスのフォルムに関する考察とか、靴紐の磨耗に関する考察とか、身のまわりにあるもの、目に付いたもの、色んなものに関して考察してるのね。
なかでもポップコーンに関する賛辞とか、トイレの紙タオルに関する考察とか、噴出すほど、バカバカしくて、手元にないから引用できないのが残念だけど、まぁとにかくニヤけながら読み進めました。

かつて同作者の『ノリーの終わらない物語』をいつまでたっても終わらせられなかった自分としてはよくやりました。今思えばあれは、子どもの思考が数珠繋ぎになってたから辛かったんだな。こっちの本は知的な男性でよかった。共感できる点が結構あったからね。
ニコルソン・ベイカーのほかの本も買う決心がつきました。愉しみ!
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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