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航路〈上〉 (ヴィレッジブックス)
コニー ウィリス Connie Willis 大森 望
ソニーマガジンズ 2004-12
評価

by G-Tools , 2007/12/12




久々に感動!長い長いこの本を読み終わるのにかなり時間がかかってしまったけど、でも読んで本当によかった。
臨死体験がテーマで、心停止している間に観る世界を解明することで蘇生に役立てないかと研究する話なんだけど、正直、臨死体験とかって、全く興味がなくて、それはノー宗教ゆえの馴染みのなさか、死後の世界と言われると丹波哲郎を思い浮かべてしまう世代なせいなのか、これっぽっちも知りたいと思ってなかった。なのに、読むのを止められなくなってしまう。
下巻に入ってからはもう自分がどこにいるのかを見失ってしまうほど入り込んだ。

増設を繰り返したうえ、改装中の場所がアチラコチラにある、迷路みたいな巨大病院、マーシー・ジェネラル。そこで臨死体験(NDE)を研究しているジョアンナ。同じくNDEに関する書物を書いているミスター・マンドレイクを忌み嫌っている。それは、科学的な現象としてNDEを研究しているジョアンナに対して、彼は彼が思う世界観を体験者におしつけ、神がかり的な現象だと主張しているから。臨死体験者のインタビューをマンドレイクよりも先にやることがジョアンナにとっては大切であり、マンドレイクにつかまらないように病院内を逃げ回る。
とにかくこの病院は、棟が分かれている上、連絡通路があったりなかったりで、迂回する道ばかりなの。おまけにカフェ・テリアはいつも閉まってる。


そんな病院にリチャードという脳内神経物質の研究をしている青年がやってくる。描写によればかなりキュートだ。NDEの際の脳の働きを解明し、人の蘇生術に役立つ物質を見つけようと言うのが彼の目的。そして彼は脳がNDE状態に入れる実験方法を見つけていた。その研究プロジェクトにジョアンナを招き、被験者たちに臨死体験をさせる。しかし、思うように被験者が見つからず、ジョアンナ自身が被験者となることに。そこでジョアンナが見た世界。ジョアンナは自分の観た世界を解明するため、どんどんNDEにのめりこむ。
ようやくジョアンナがNDEで起きていることを突き止めた時、起きた悲劇。その悲劇がもたらした結果。後半は本当に途中で止められないぐらい、世界に引き込まれる。

脇の登場人物も魅力的で、ERで働く親友ヴィエラや、何度か心停止を経験している少女メイジー。災害の話が大好きでジョアンナが大好き。ほかに、長年こん睡状態になっているカールといった患者や、アルツハイマーにかかっている高校時代の恩師など鍵となる人々が数人。

ジョアンナが感じた恐怖や痛みを同じように感じ、リチャードの焦燥と後悔に気持ちが合わさって、胸がしめつけられる。泣くというより嗚咽って感じ。
コニーウィリスは本当にすごい。読みにくい内容や文章にも関わらず、読まずにいられなくさせる。登場人物も最高。愛しいメイジー。最後の方の58章はもう涙がダラダラです。
長い時間をかけて読み終わって、この本の内容自体が脳内で起きる4?6分の出来事に匹敵してるような感覚にもなる。それは行き止まりばかりのマーシーとNDEの時に経験することが対になっているのと似た感覚。
心停止の際に患者が残した「58」という数字をジョアンナはずっと気にしているくだりがあるんだけど、クライマックスが58章ていうのももしかして意図的?と思ったらちょっと怖くなりました。
本当に哀しいぐらいうまいこと書けないけど、孤独を感じるし、怖さも味わうし、でもあったかい気持ちにもさせられる、なんか五感を刺激されるっていうの?寒いような煙いような・・・あれ?これNDEの時の患者の状態だ。
とにかく、厚さにめげず、読んでみて欲しい本。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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