上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

photo
ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
新潮社 2007-11-29
評価

by G-Tools , 2007/12/18






待ってました!伊坂さんの新刊です。
今回はいつにもましてクライムな物語でした。
私は、映画やドラマで一番嫌いなのが“濡れ衣”なのね。だって不条理だし、もどかしいし、こんな悔しいことってないんだもん。だから、主人公が耐えしのんで、頭や体を使って必死になって汚名を晴らすなんて、たとえハッピーエンドであろうが、そもそもの始まりがおかしいから嫌い!なのに、今回の物語はまさにそんな内容で、首相暗殺の濡れ衣を着せられ、警察に追われる男の物語だ。

首相金田が地元で凱旋パレード。生中継の中、首相の乗るオープンカーにラジコンのヘリが近づく。そして爆発。そんなケネディばりの事件が起き、何故か青柳雅春は犯人とされ、警察から執拗に追われる。たった3日間。青柳くんの逃走劇が語られるのは3日間だ。事件の始まりから、事件の20年後のレポート、そして当人たちの3日間。
やっぱり前半は“何なの!!”って憤っちゃう嫌いな話だけど、どんどん引き込まれる。そしてクスッとしちゃう。うう、やっぱり伊坂氏の本は好きだ!惚れてしまうわ。だってすごいあったかいんだもん。
後半からの展開がすごくいい。どんどん味方をしてくれる人が出てきてって、本当に出来すぎな話なんだけど、単純に嬉しいし、頑張れ!って気持ちになっちゃうんだよね。完全に作家の思い通りに読まされちゃってる私(笑)。
後半が俄然面白い。
伊坂氏は今回もいっぱい仕掛けをしていて、前半、あちらこちらに仕掛けた花火がクライマックスでどんどん打ちあがる感じ。とにかくイメージとしては爆破の嵐の中を走り抜けてくランボーみたいな(笑)。そんなくらいの勢いで伏線が爆発していくの。もう爽快ですらある。

そんな伏線をはられた小さな出来事や思い出が楽しい。
そしてね、泣かされちゃったよ。青柳平一ですよ。青柳くんの父さんです。痴漢を絶対にゆるさないというポリシーを持った父さんのマスコミに向けたコメントが最高なんだよ。号泣ですよ。世間が敵になったとき、テレビで自分を信じている父さんの言葉を聞いたら、泣くよな。他人でも泣いちゃうよ。「思う存分逃げろ!」みたいなコメント大衆に向かって放てる父さん、いいよ。こんな父さん持ったら幸せだなぁ。いや、濡れ衣着せられてる時点でかなり不幸なんだけどさ。
青柳雅春と同じサークルだった森田森吾に、小野一真(あってるかな?)、元カノの樋口晴子。社会に出てバラバラになっていた彼らも、彼らにしかわからない流儀で青柳と接触する。なんだかいいやつばっかりだよ。晴子の娘の七美も相当いいキャラしてたし。
今回も登場人物が素敵すぎです。

表題のゴールデンスランバーはビートルズの曲名で、“黄金のまどろみ”というような訳になるそう。まさに最後まで読んだとき、ゴールデンスランバーが訪れてます。温かい気持ちで胸がいっぱいになります。幸せではないんだけど、温かい気持ちになってる。
久々の長編、ご馳走様でした。
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 たまゆらのつぶやき, All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。