上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

photo
有頂天家族
森見 登美彦
幻冬舎 2007-09-25
評価

by G-Tools , 2007/12/26





やっぱ楽しいなぁ。森見作品。
今回の舞台も変わらず京都ですが、これまでみたいにもてない妄想男の独走話じゃなくて、狸と天狗のお話。ようやく森見さんの新しいエンタメ作品を読めた気がします。
まぁ癖が弱まった分、万人受けはするだろうけど、物足りない人もでてきちゃうのかな、なんて思いました。私としては好きですけど。
そして、これまでの小説に出てきたアイテム、偽電気ブランや怪しい叡山電車、ふわりと宙を浮く樋口師匠などの存在が、ここにきて腑に落ちる。おお!もしやそういうこと?!ていうか、『夜は短し?』を書いている時から、こういう話が念頭にあったの?すごいな?。

京都・糺ノ森に暮らす狸の下鴨一家。狸界のリーダーであった下鴨総一郎を父に持つ、狸4兄弟。長男は真面目だが器が小さく、次男は何故か井戸の中の蛙に化けたまま、三男はふらふらと遊んでばかり、四男は気が小さく化け下手と、阿呆な兄弟で通っている。さらに京都の如意ヶ嶽の天狗と鞍馬の天狗、さらに天狗をも思うままにする半天狗の女と狸を食う金曜倶楽部なる人間たちが入り混じっての大騒動。そんな京都の獣事情をベースに、狸のリーダーを決める会合と金曜倶楽部の忘年会とが同じ時期に開かれる年末に向けて、物語は進む。

狸がメインなのにやけに人間くさいお話なのだ。母思いの狸たちや、女に骨抜きにされる天狗やら、師弟愛の狸と天狗やら・・・それに宝塚かぶれの母狸とか、四字熟語好きの兄弟狸とか、キャラクターがいいし、天狗のもってる奇想天外なグッズも楽しいし、何より狸たちの化かし合いがそのまま話の展開をひっくり返して、なんとも愉快。まさに「面白きことは良きことかな」な本でした。私としては狸を“毛玉”と呼ぶ感じがとても気に入りました。たしかに人と狸の大きな違いは“毛”だものね(笑)。あと狸のお尻を無性に見たくなった。なんか毛の感じというか、獣の感じ?鼻をくんくんやったり、毛むくじゃらが寄り添う感じがすごく心地良かった。いやぁ愉快、愉快。
作品の世界観がとてもジブリっぽかったなぁ。もちろん『平成狸合戦ぽんぽこ』がまず浮かぶんだけど、狸っていうのを除いて、例えば銭湯にふとっちょがぎゅうぎゅうになるシーンとか、ジブリな映像が浮かんできたなぁ。

森見登美彦という作家を言い表すとき、“京都が生んだ!”とか、いかにもなキャッチコピーが浮かぶけど、本当にこの作家さんは京都で育まれたのだなぁと作品を読むたびに思う。作品の世界観、物語性、人だけでないモノたちの存在というか、現象があってもおかしくない気にさせるのはやっぱり京都という舞台が大きい。そんで、読んだ後にものすごく京都を歩きたくなるんだよな。正月休み、行こうかな、京都。
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 たまゆらのつぶやき, All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。