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灯台守の話
ジャネット・ウィンターソン 岸本 佐知子
白水社 2007-11
評価

by G-Tools , 2008/02/07




私の友人が灯台守と結婚したいという願望を持っている。そんでもって携帯にも灯台ストラップがついている。そんなわけで、この本を目にした時、ニヤリと迷わず手に取った。

灯台って陸に住む者にとってはなんだか寂しげだけど、海と空の青に映える建物という認識ぐらいしかない。そんなこともないか?(笑)でも岬の突端にスクッと立つ姿は何故か心を打つ。孤独で、自分の役目に忠実な姿はかなりのストイックさだ。
あの灯りを頼りに航海をした船乗りたち。真っ暗で果てしのない海の中で灯台の灯りを見つけたときの安堵感は容易に想像がつく。そんな灯台を守る人もまた孤独でストイックなんだろうな、なんて思う。常に塩気を含んだ強風にさらされながら、嵐の中灯台の灯りを必死で守る・・・そんなイメージ。

この話は代々灯台を守ってきた盲目の人ピューが、引き取ったみなしごシルバーに語り聞かせる物語。“灯台守の仕事は灯台を守ることと物語を語ること”なんだって。なんて素敵な仕事なの!
ピューが語ったのは、敬虔な牧師でありながら、なにか秘密を背負っていた男バベル・ダークの物語。ソルツの灯台が建った日と同じ日に生まれたから付けられたという“バベル”という名。きっとこの名に運命が引きづられちゃったんだろうね。
そんなバベルの物語とシルバーが語る物語。
私としては、シルバーが灯台に引き取られるまでの生活が面白かった。母さんと犬と3人で傾斜のきつい家に住んでいた頃の話が良かった。
所々で印象的な文章があって、ほぅっとなる。シルバーが自然について考えるところとか愛について考えるところとか、いい。

『宝島』を読んでいる人はこのピューとシルバーという名を聞いて、この本が『宝島』と関係のあることがすぐわかるんだろう。私は不勉強のため全く気づかず。
灯台建設で名を馳せるはスティーブンソン一族。その一族の一人は『宝島』『ジキル博士とハイド氏』の著書である、ロバート・ルイス・スティーブンソン。彼もまた物語の中に登場する。
ちなみに日本の灯台の多くを造ったリチャード・ヘンリー・ブラントン氏もまたスコットランド出身でスティーブンソン一族とつながりがあるらしい。灯台建設者たちはスコットランドから世界に散ったのだろうか?
考えてみれば、日本国内には日本ぽくない建造物である灯台が結構ある。瀟洒だ。あんまり灯台について深く考えたことはなかったけど、岬岬にあんな洒落た物が建ってるのって面白いかも。あまり詳しくはないけれど、犬吠崎の灯台が好き。今度から各地の灯台を注意して観てみようっと。
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学



















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