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変愛小説集
岸本 佐知子
講談社 2008-05-07
評価

by G-Tools , 2008/07/15



いやいや面白い。岸本さんったら、またおかしな小説ばかり集めてきて(笑)。これまで、岸本さんが訳すニコルソン・ベイカーばかりを読んできましたが、まだまだいるんですねぇ、岸本さん好みの変な小説家たちが。なんてったって、”変愛”小説ですからねぇ。
ただタイトルを観て、ニヤニヤしながら読み始めたけど、意外にもとてもピュアな”恋愛”の物語が詰まっていて、予想を裏切られました。でもいい意味でね。

最初の一編が、木に恋してしまった人とその配偶者の話。木に恋するなんて・・・でも恋する相手が木だったばっかりに、その木を所有している人に対する嫉妬だとかあって、そういう感情がなんだか恋は盲目的な感じをすごく切実に感じさせて、切なかったりする。

ほかにバービー人形と恋愛する男の子の話や、あんまりにも魅力的な相手を思わず”丸呑み”してしまい自分の体の中で彼を感じる女性の話などキテレツな物語があったり、はたまた病に犯された妻と過ごす最後の夜を描いた世俗的な話があったりとバラエティ豊か。
その中で、私が一番好きだったのは、レイ・ヴクサヴィッチの「僕らが天皇星に着くころ」。体が足元から宇宙服になり、全身が宇宙服に包まれたとき、その人は重力から解き放たれて宇宙へと飛んでいってしまうという奇病が流行る社会。自分の妻がその病にかかり、必死に地球につなぎとめようとする夫の悪戦苦闘ぶり。地球につなぎとめられないならば、せめて一緒に飛んで行きたい!そんな彼の愛情が切ないのとはウラハラに、地球から飛び立っていく銀色の宇宙服の集団の描写がなんともマヌケでおかしい。これはぜひとも奇想コレクションで短編集を出して欲しい作家さんです。

あと「お母さん攻略法」なんて、男性が読んだら背筋が凍るんじゃないかと思うけど、全くバカバカしくておかしい。
世界には変なことを考える岸本さんみたいな作家さんがいっぱいいるんですねぇ。嬉しい限りですけどね。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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