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モダンタイムス (Morning NOVELS)
伊坂 幸太郎
講談社 2008-10-15
評価

by G-Tools , 2008/11/15



いやいや怖いですよ。こんな時代が来ちゃったら。
あり得なくもないのが怖いんですよ。
ネットの情報を疑わない人って結構多いですよ、最近。
特に新入社員。リサーチをさせると自信をもって出所のわからない情報を提出する。大事な情報をMIXYに流す。「パスワード持ってる人間しか見られないところなんで、絶対大丈夫です!」と言い切る無知っぷり。ネット上のシステムなんて知らないことの方が多いのに、何で絶対なんて言い切れるんだ!少しは不安に思えよ!
ってなことを日々怒鳴ってるわけですが、きっと年が経つにつれ、もっともっと過信をするようになっていく(盲目になる)んじゃないだろうか。そもそも自分だってネットがないときってどうしてたっけ?って思う時があるもんね。


 ―人は知らないことに出くわしたとき、まず何をする?

 ―検索だよ



失踪した社員の代わりに仕事を引き継いだシステムエンジニア渡辺。
プログラムを修正しなくてはいけないサイトには、プログラム上に不可解な暗号化された部分がある。発注元とは連絡がとれないし、そもそも一体何のサイトなのかもわからない。
SEの性で余計なこととわかりつつも、暗号化されたものを解析してしまう。そうして分かったのが、ある特定のキーワードを検索にかけた人間がこのサイトにたどり着き、たどり着いたことによって反対に監視化におかれるというシステム。
何故、監視が必要なのか?一体誰が監視をしているのか?


『魔王』の時代から50年ぐらい経った社会は、あの本で安藤兄弟が心配をしていたような世の中を経て、新しい時代へと変わっていた。
ほとんどの情報をネットから得る社会。そこで起きうる事態が起きるわけだ。
皆が目撃したと思っている事件や歴史が果たして本当にあったことかはわからない。どの時点で手が加えられ、ゆがめられ、作られているのか。それを判断する能力が果たして国民にはあるだろうか。そんなことを言い出したら、今の世の中だってあてはまるけど、一体、何に自分たちが騙され、動かされているのかってのが、問題なんだな。


でも一体、自分の見たものが真実かどうか、どうやって判断したらいいんだろう。見えない何かに気づかぬうちに動かされている可能性は十分にあるけど、それに気づいたとき果たしてその流れを止められるのかな。あまりに大きすぎる流れはきっと変えられない。その中で自分はどうしたらいいんだろう。
実際、小説の中の彼らがした苦労は何かに影響を及ぼせたのか、といえば、多分あまり出来ていない。渡辺くんのように何かしらの力があっても、腕っぷしが強くてぶれない価値観を持った奥さんがいてもなお、だ。ん?悩ましい。

全体として怖いし、あまりハッピーな話ではないけど、伊坂氏のシャレオツな文章がバシバシ発揮されていて、笑える。ものすごく軽いタッチでとても怖いことを書く。ますますその傾向が強くなってきたように思います。


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