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時間のかかる彫刻 (創元SF文庫)
大村 美根子
東京創元社 2004-12-11
評価

by G-Tools , 2009/04/16





スタージョンの70年代の中編と短編。
この人の描くほら話は本当に面白い!いつも思うけど、時代を感じさせないというか、むしろ現代にあってるような気すらする。

1話目の「ここに?」が一番長い話で一番読みづらいかも。解説で大森さんが書いていましたが、スタージョン初めての方はこれは後回しにした方がいいと思う。個人的には表題作も後回しにして、そのあとの短編から読んでもらいたいぐらい。
「ジョーイの面倒をみて」、「人の心が見抜けた女」、「ジョリー、食い違う」あたりは、”ああ、人って・・・”というため息がでるような、人間の本質をしっかりとユーモアを持って描いている秀作!
その作品以外のものも、人間って・・・と思う部分がいっぱいあって、時代を越えても変わらない人の性質が面白く、時には切なく描かれている。

彼の描く作品を読むと、”SF”って科学的なほら話っていう意味でよかったっけ?なんて思うほど。彼の初期作に比べて、より客観的に”人”を笑っている感じだなぁ。

科学技術の発展により、社会や人がどうなってしまうのか。
本当に人間や地球のためになる発明や発見は多くの人の仕事や収入を奪い、資本主義の社会を破滅させるという考え方がいくつかの作品に共通している。
実際、そうだとも思う。どこかで読んだのは、今ガンを治せる薬があったとしても、それを使用できるかどうか、その薬が流布することを許す社会なのか?ということ。一体、どれだけの医師や病院が職を失う?寿命が延びることによって人口はどうなっちゃう?そんな話ありましたよね?『パンドラ』だっけか?うすら寒い話ですね。(⇒「時間のかかる彫刻」)

医薬品だけでなく、例えばエネルギーを供給する必要のない動力が発明されたら?原子力や石油や石炭といったものが必要なくなったら、世界はどうなる?(⇒「茶色の靴」)
そんな社会を30年ほど前から予見していたスタージョンってすごいなぁ。
その一方で、女性と出会ったタイミングで執筆が進むという彼の性質、面白い(笑)。愛のある作家さんなんですね。5人と結婚してるとか。


―目次―
「ここに、そしてイーゼルに」
「時間のかかる彫刻」
「きみなんだ!」
「ジョーイの面倒をみて」
「箱」
「人の心が見抜けた女」
「ジョリー、食い違う」
「〈ない〉のだった――本当だ!」
「茶色の靴」
「フレミス伯父さん」
「統率者ドーンの〈型〉」
「自殺」

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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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時間のかかる彫刻 ロドリゲスインテリーン【2009/11/29 16:43】
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