上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

輝く断片
輝く断片
posted with 簡単リンクくん at 2006. 1.31
シオドア・スタージョン著 / 大森 望編 / 大森 望訳 / 伊藤 典夫訳 / 柳下 毅一郎訳河出書房新社 (2005.6)通常24時間以内に発送します。

やっと読み終わった?分厚い短編集でした・・・
シオドア・スタージョンは著名なSF作家らしい。SF自体に明るくない私は全然知らなかった。でも、敬愛する書評家、豊崎由美さんがお薦めしてたので、手にとってみた。
結論から言うと、これはSF作家としてのスタージョンを判断できる本ではない。後書きにもそういったことが書いてあったけど、人を稀有な角度から描いている秀逸なミステリー。優れた人物描写なしに優れたミステリーは成立しない。そんな印象を持った。
奇想コレクションというサブタイトルがついているだけに、かなり突飛なストーリーが集まってて、読み応えはあり。

表題である「輝く断片」は、一人の”用なし”とされている男が瀕死の女を拾い、彼女を介抱することで生きる意味、自分の価値を初めて感じるという話。上手くしゃべれず、醜い顔をした大男。拾った女が彼の介抱で回復していくまでの間、揺れ動く彼の心理描写が絶妙。彼のしたことは褒められることではないけれど、そうしてしまう彼の気持ちが切ない。
他の短編でも切ない男の話が多かった。
生まれてから一度も罪を犯したことのない男があることをきっかけに罪を犯そうと必死になる「ルウェリンの犯罪」。
生活の中心になっていた”ニュース”を奪われたことで、家族を捨て山にこもり、言葉を失った男の話、「ニュースの時間です」。
バンド付きのMCである醜い男がどうあがいても適わないバンドリーダーを殺そうと躍起になり、次々と犯罪を犯していく「マエストロを殺せ」。

どの登場人物ももともとは真面目で害のあるような人柄ではない。そんな彼らがちょっとしたことをきっかけに(とはいえ、それははたから見ればたいしたことないだけで、彼らにとっては大きな意味のある出来事だけど)罪を犯したり、常軌を逸した行動に出たりする。でも結局彼らがもがいてやったことはうまくいかない。そういうところが切ない。何をやってもその男の器量を越えない感じが切ない。

単純に読み慣れない文章なので、最初は読みづらかったけど、個々の短編はとても優れた小説だと思う。好きか嫌いかは別として。
ただ、これらの話が書かれたのが50年ぐらい前(?)というのに驚いた。全然新しい。1910年代に生まれた作家が書いたとは思えない新鮮さがあったかな。もうちょっと他の本も読んでみようと思う作品でした。



スポンサーサイト




初めまして。
『不思議のひと触れ』も傑作集だと、よく耳にしますね。ロマンティック路線なのですか。是非読んでみます。
サイトお邪魔しました。
全然知らない本ばかりでした。
元々翻訳本はあまり読んだことがないんです。参考にさせていただきます。
【2006/02/23 23:04】 URL | momo #79D/WHSg[ 編集]
はじめまして。
『輝く断片』は、たしかに優れた短編集だと思いますが、初めてスタージョンを読むのには、ちょっときついかもしれませんね。「ルウェリンの犯罪」「輝く断片」あたりは、ほんとうに痛々しい感じがします。
スタージョンは同じ河出書房から出てる「不思議のひと触れ」の方がずっといいですよ。スタージョンのロマンティック路線を集めた本なので、すごく入りやすいです。
【2006/02/23 19:09】 URL | kazuou #79D/WHSg[ 編集]














管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 たまゆらのつぶやき, All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。