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f植物園の巣穴
梨木 香歩
朝日新聞出版 2009-05-07
評価

by G-Tools , 2009/06/11





村上春樹の『1Q84』を買いに行ったら売り切れていて、うそ?んとなったすぐ後に、発見!!
うわ?い!!梨木さんの新刊が出てる!!!なんて久しぶり!本当に待ち望んでおりました。

植物園・・・巣穴・・・ああ、梨木さんっぽい。
沼地にある森を抜けて』よりもずっと入り込みやすく、異世界の感じが心地よかった。

植物園に勤める”私”の歯痛がひどくなってきたところから話は始まる。歯が痛くて、早朝に目が覚め、歯医者に行こうと起きた”私”は、なんだかちょっといつもと違う雰囲気を感じる。時間的なズレや視覚的なズレ。大家のアタマが雌鶏に見えたり、歯科医の家内が犬に見えたり・・・季節はずれに木蓮が満開になっていたり・・・。おかしいな、と思いつつ、自分の中に原因があるのでは、と色々思いをめぐらせながら、そのおかしな世界に入り込んでゆく。世界がどんどん様子を変えてゆくなかで、自分が植物園の大木の”うろ”に落ちたことを思い出す。

この辺から、色々なことが腑に落ちて読みやすくなります。

そうして、主人公がたどり着いた先に待っていたもの。そこまで行ってようやく気づいた色々なこと。またしても、不意打ち。まさかこういう展開が待っていようとは。そしてこんなに感動してしまうとは。
カエル小僧と出会ってからの展開は、素晴らしいです。自分もなんだかじっとりと湿った、薄暗い世界へ引き込まれていきます。

確かに、自分の中にもこれまで生きてきた中で、勝手に忘れてしまっている出来事や、記憶を改ざんして覚えている出来事のひとつやふたつある。全く思い出せない時期というのもある。そういったおざなりにしてきた自分の中のモノたちを思わずには入られない。

あ?久しぶりにじ?んとしました。私の中では、『村田エフェンディ滞土録』と同じように素敵な奇譚となりました。
犬のゴローや哲学的な鸚鵡に続き、今回は、犬になってしまう歯科助手が良かった。自分の口の中にモコモコした犬の手が入ってくるのを想像しただけで、ニヤリとしてしまいます。

タイトルにあるとおり、この作品は”穴”がいくつか出てくる。詰め物が取れた歯の穴、椋の木のうろ、植物園のうろ、木を抜いた後の穴・・・身のまわりにある穴の中には自分自身へと通じる世界がある?
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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