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あるキング
徳間書店 2009-08-26
評価

by G-Tools , 2009/10/03





伊坂本、久しぶり??
著者あとがきにもありましたが、今までの伊坂エンタメ作品とはちょっと違う作品でした。でも、マクベスファンの私には嬉しい作品!!

野球の王となるべく生まれた山田王求。
彼の人生は、野球のためにあり、野球と共にあるはずだった。
しかし、王の人生は思わぬ方向へ・・・

王とは孤独で、短命なもの。本人が意図せずとも、その道は開かれ、導かれるもの。
しかし、王への道のりの途中には、多くの血と涙が流され、そして王の座は結局血塗られるもの。
そんなシェイクスピアの戯曲に描かれているような王なるものの姿が、野球という世界で書かれているという、なんとも風変わりな本です。

個人的に、『マクベス』はセリフにすごい力があって、大好きな戯曲です。
この本のなかにも、「キレイは汚い、汚いはキレイ」で有名な3人の魔女が出てきたり、”運命”というものを強く意識させるストーリーとなっております。
『マクベス』を知らずに読むと、なんて強引な・・・と思ったりするかもしれませんが、「それが王の運命なのだ」という大前提を認識したら、スッキリするのではないかしら?

ただ、『マクベス』から離れて、この王求の人生を想うと、かわいそうでしょうがないよ。彼は彼の短い人生を楽しんだとはとても思えないから。生まれたときから決められた運命。それに従って生きた彼にとって、人生とは一体なんだったのか?野球なんて、上手くなくていいから、毎日を普通に楽しませてあげたいと思った。
本当に王は孤独なんだよなぁ。

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