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カービン銃の妖精
Daniel Pennac
白水社 1998-01
評価

by G-Tools , 2010/03/06





人喰い鬼のお愉しみ』の登場人物、バンジャマン・マロセーヌシリーズの第2弾。
前作からずいぶんと時間を空けてしまったので、登場人物を思い出せなかったけど、そんなことは関係なく面白かった。ダニエル・ペナックはやっぱり面白い!
前作同様、ポップな文体には、色んなユーモアが散りばめられ、スイスイ読めます。
むしろ1冊目よりも読みやすくてオススメ!

前作でデパートの苦情処理係としてスケープゴートだったマロセーヌは、今度は出版社に勤めています。何かとトラブルに巻き込まれるバンは、マロセーヌ家の長男。一家の主である彼は、父親の違う弟妹たちを食べさせるため、スケープゴート(身代わりのヤギ)として収入を得ている。今回は彼のこの仕事よりも、ジャーナリストの彼女が持ち込んできたトラブルに対応中。何故か、マロセーヌ家にはヤク中の老人たちが匿われ、バンの弟妹たちがかいがいしくお世話をしている。驚くべきことに、母親はまた新しい弟妹を妊娠中。
そんなバンが暮らすベルヴィルでは、ここのところ老婆殺しが続いていた。そして連続老婆殺人事件を捜査中の刑事が白昼堂々、アタマを打ち抜かれて殺される。老婆殺し、刑事殺し、そして麻薬売買が絡み、事態はどんどんバンの周囲に集まりはじめ・・・
あらゆるトラブルの原因とされそうになるバンの行方と、いくつかの事件の展開が軽妙に描かれています。

このシリーズは、世の中のくら?い部分、人間の陰湿な部分をユーモアをもって描いていて、本質はエグい事件をキャラの濃いマロセーヌ家の人々が絡むことによって、それはもう愉快な小説にしてしまうんです。
今回の事件も、人種差別、老人蔑視、私利私欲、そんな世の中に常にはびこるネガティブな感情が色々な事件の発端となっているんだけど、そういうところを糾弾するわけでもなく、バンが自分の知らないところで色々な物事を結びつけ、結果いつの間にか事件が解決しているという、なんとも粋な展開なんです。

今回は特に問題児のジェレミーが生き生きしていた。
刑事のアタマが打ち抜かれる現場に遭遇したジェレミーは、「男の人が真っ赤なお花に変わったんだ!」と町中で妖精を見たかのような報告。こういう子どもの目線と現実の違いとか、同じく冒頭の刑事が打たれるシーンの刑事の思考回路とか、本当にウィットに富んでいて上手だなぁと思う。

シリーズ第3弾はさらに分厚いハードカバー・・・持ち歩くのは辛いけど、早めに読みたいな。

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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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