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感応連鎖
講談社 2010-02-20
評価

by G-Tools , 2010/05/17




やぁ?面白かったわ。
敬愛する書評家、豊崎ねえさんが絶賛していただけありました!
なんか、帯には”肥満少女が蝶に変身するまで?”うんぬんということが書いてあったんだけど、そういうありがちなシンデレラストーリー、もしくはBCストーリー(ビューティーコロシアムね)と思ってはもったいない!!
そこではないのだよ!この本の面白さはまさに、タイトルどおり!
思春期の少女たちの、その繊細な少女性と精神世界が微妙に”感応”して、”連鎖”していく、その構成が面白い!

人名ごとに章立てされていて、つながりを持った登場人物たちがどういう風に感応、影響していくか、それぞれの内面が描かれる。
始まりの章では、墨川節子。節子を「セシルちゃぁ?ん」と呼ぶ、超夢見がちな母の元で、すくすくと巨大化した少女は、自分を肥満たらしめているものについて日々考察を重ねている。そして、”デブ”である自分のキャラクター、ボジションを見極め、常に場に合うよう”デブ”があるべき姿を演じている賢い少女である。
そんな彼女は、高校にあがり、やけに勘のいいやせぎすの少女・佐藤絵理香と、彼女の母の理想である「夢の娘」を具現化したような少女・島田由希子に出会う。
ここから、連鎖が始まっていく。

節子は、島田由希子を夢の娘として完成させるために恋をさせようと考える。その相手に選んだのは、担任の秋澤。
そして第二章「秋澤初美」。担任秋澤の奥さんが主役。幼い頃に持ってしまった歪んだ思考と嗜好。夫の浮気を常に疑っている初美。その初美が秋澤の不貞に気づいた時、現われたのは、島田ではなく佐藤絵理香だった。
第三章「佐藤絵理香」。生まれた頃から、人の思念が単語で入ってきてしまう特殊な能力を持つ。全く喜ばれないその能力のせいで、性格がひねてしまっている絵理香。節子という自分を崇めてくれる親友もでき、さらに彼氏もできて幸せな日々のなかで、唯一島田由希子が邪魔だった。彼女をおとしめようと、わざわざ担任宅までおしかけてみたが・・・
そしてラストは「新村由希子」。大人になった島田由希子の章。

こうして、女子高のひとつのクラスの中で起きていた少女たちの密やかな人間関係と目論見が明らかになる。
登場人物ごとの視点で描かれ、それぞれの証言から事件の全貌が明らかになるという形のミステリーはまぁまぁあります。構成としては、そういうことなんだけど、この本は、登場人物が少女であり、少女特有の感度の良さ、浅はかさ、そんなアイテムが効いている。また、それぞれの思考がひとつの個性として完成しているから、章が進むほどに読み応えがあって、どんどんはまっていきます。


女の妄想や、少女の願望、社会において求められる女性像・・・
人は、あらゆる周囲の人の希望や理想を受けて育つ。
そういった意識、無意識問わず、人が他人に対して感じる、その人のイメージをいかに自身が影響されているか。そういうことになるほどなって思う。だから、環境って大切なんだな。
蛾になるか、蝶になるか、それはやっぱり素質+育児環境ってことなのかな。
ブラックなユーモアも効いていて、ラストもピリリとしていて、私は好き、こういう本。

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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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