上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まるで『ライフ・イズ・ビューティフル』を観ているかのような収容所の風景。
食料もなく、自由な思想もなく、権力という名の暴力に支配される生活。
ただ、これはかつてそういうことがあったという過去の話ではない。
今、この時間にも、北朝鮮で起きているであろう情景なのだ。
その現実に、カラダの芯が冷える。


病気の妻に食べるものと薬を与えたい。
ただそれだけの目的で、国を出なくてはいけなかったヨンス。
命がけの脱北。
中国に入り公安に追われ、ドイツの大使館に逃げ込み、脱北者として韓国へ。
ただ食べ物と薬を手に入れたいだけだったのに、国と家族からどんどん遠のいていくヨンス。その間、国に残された妻と子の生活は・・・。


劇中、大使館に逃げ込むシーンがある。
そういえば、数年前に子を抱いた母親が必死に大使館に逃げ込むニュースがあった。”脱北者”という言葉が一斉に世に広まった。
でも、そんなことをすっかり忘れてしまっていた。
そうだった。あの頃と変わらず北朝鮮はあり続けているのだ。
ここ数年で、韓国のエンタメは私の日常になっていて、なんだか知ったような気になっていた。けれど、日本人が足繁く通っている韓国の町中に、ヨンスのように国に帰れず、家族に会えず、断腸の思いで暮らしている北の人間がいることを一体どれくらいの人が気づいているだろう。
北と南が分断された哀しみを抱えて暮らしている人たちがどれほどいるのだろう。
のほほんと生きる自分たちに冷水をあびせるような、強い思いのある映画でした。
一般市民の自分たちに出来ることなんて何もないかもしれない。
でも、北朝鮮に生きる人たちにはできないことが、こちら側にいる人間にはできるのかもしれない。


―およそ人に関わることで、無関係なことなど何もない―


昔読んだ本にあった一文。
そういうことなんだ。何も出来なくても、せめて映画を観て欲しいと思う。
そのために作った映画だろうから。
ストーリーもさることながら、映像も素晴らしい。


ヨンスの息子、ジュニが一人モンゴルの地を踏むシーン。
あんなにも哀しくキレイな夕暮れはない。
絶望という言葉を画にするなら、きっとこの砂漠のシーンだろう。
あまりに広大で、あまりに孤独なモンゴルの砂漠。
ジュニの気持ちを思うだけで、涙が止まらない。

⇒⇒ クロッシング公式HP




スポンサーサイト

テーマ:最近見た映画 - ジャンル:映画



















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 たまゆらのつぶやき, All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。