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猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)
平出 隆
河出書房新社 2009-05-30
評価

by G-Tools , 2010/09/02





古い家屋と手入れされた広い庭。
その周りには稲妻のようにジグザグな小路があって、
隣家には古くて立派な欅の木があって・・・
車が入ってこれず、しかもその特殊な形の小路のために
近所の動きも筒抜けじゃない、
いかにも日陰が気持ち良さそうな場所。
広い敷地内にたつ離れに間借りしている夫婦。
その夫婦と庭に遊びに来る子猫との交流を描く。

猫と初めて触れあう人というのは、こんな風にして
猫の魅力を知っていくものなのかと、今さらながら新鮮でした。
幼少期から猫キチの私には、当たり前のこと過ぎてあまり共感はできなかったけど、
猫ってやっぱり心の隙間にズイっと入ってくるよな、と頷ける。
猫のいる生活、いなくなった生活、その喪失感はよくわかる。
飼い猫が死んでもう数年たつが、今でもまだ実家に帰ると
机の下を目が探してしまう・・・そんな風にカラダに染み付いてしまう。


この夫婦は、隣家の飼い猫であるチビを猫の意思にまかせて
家に引き込む。入るのも出るのも自由だ。
だから自分達にはやましいところはないと。
ここが共感できなかった最大のポイント。
飼い主の立場がわかってしまうから、
自分の家の猫が、他所でご飯をもらったり寝床を与えられたりするのは
やっぱり気持ちのいいもんじゃない。
まるで愛人の存在を知る妻のよう・・・

だったら外に出さなければいいと思うところだが、
庭で遊ぶ楽しげな飼い猫を見ると、家の中に閉じ込めることが
できなくなってしまう。これも愛。
今では、外で猫を飼うことを猛烈に批判する人が多いけど、
私はどっちの気持ちもわかる。

そして気になるのが、この夫婦はチビと離れを失った後でも
引っ越した先のペット不可のマンションで、また野良猫を
家に引き込むのだ。
なんていう自己中心的な夫婦。
非常識な行動を静かな文章で綴り、本とする。
そういう本って多いとは思うけど、好きにはなれない。
語られる情景や猫の可愛さも、後味の悪さに負けてしまう。
この本を愛する猫好きはどれほどいるのだろうか。

文学>猫 猫>文学

それを試されているのかも?
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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