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サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
タチアナ・ド ロネ Tatiana de Rosnay
新潮社 2010-05
評価

by G-Tools , 2011/12/01



もうすぐ映画が公開されるので、その前に、とあわてて読み始めた。

泣いたわ~
ナチスがらみの話はめちゃめちゃ久しぶりに読んだ。
というより、本としてちゃんと読んだのは「アンネの日記」くらいじゃないだろうか。
きっと多くの人がそうだと思うんだけど、ナチスによるユダヤ人大量虐殺は
あまりに陰惨で理不尽で、目を背けがち。
映画だと頑張って観てみるんだけど、本だとかなりしんどい。

でも、この本はとても読みやすかったな。
重さに押しつぶされず、スルスルと涙を流しつつ読める。
それは、ノンフィクションノベルではなく、
小説としてストーリーが構築されているからだろう。

パリを舞台に、パリ在住のアメリカ人ジャーナリストが追う、
1942年の夏、パリのど真ん中で起きた悲劇。
フランス人でも知らない人が多い、フランスが加担したユダヤ人の一斉検挙。
そのとき、フランス人は何をして、何をしなかったか・・・
戦争中だったから、仕方がなかった・・・そういう思いの中で
記憶に埋もれてしまった悲惨な事件。

その事件を調べることになった女性ジャーナリスト、ジュリアは
フランス人と結婚しパリを愛しながらも、夫や夫の家族との間にある壁を
ぬぐいきれずにいた。
その外国人としてのジュリアの視点が絶妙に、この事件の追及と合わさる。
かつて、マレ地区のアパルトメントから連れて行かれた少女サラに起きた
出来事と、現在のジュリアの周りで起きる出来事の交錯が見事!

パリに行ったことがある人は分かると思う、パリジャンたちの気質やパリの街並。
古く豪奢な建物は堅牢な扉で閉ざされ、中にどういう生活があるか一見すると分からない。
そういう建物と同じように、パリに住むフランス人たちも誇り高く、気安くはない。
そんな国で目を背けられた忌まわしい過去の出来事。
そこを掘り起こす苦労と、事実と向き合う痛み。

その人の人生が変わってしまおうとも、
知らなくてはいけない真実がある。
多くの人が傷つこうとも、
知らせなくてはいけない真実がある。
歴史というのはそういうものなのだと、
ジャーナリストというのは、それが使命なのだと
色々な想いを抱いた本でした。
名著です。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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