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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
沼田 まほかる
幻冬舎 2009-10
評価

by G-Tools , 2012/03/05



まほかる2冊目。

8年も前に別れた男のことを忘れられず、
働きもせず、日々を怠惰に生きる十和子。
陣冶という10以上歳の離れた冴えない男と暮らし、
その男を憎悪し、虐待しつつも依存して生きている。

いかに陣冶がダメな男か、読んでいて眉間にしわがよるくらい丁寧に描写される。
確かに気持ちのいい男ではない。
ならば、なぜ十和子はこの男から離れられないのか。

読み進めるうちに、十和子の闇が見えてくる。
陣冶が病んでいるのか、十和子が病んでいるのか…
二人の間に一体何があるのか。


陰湿。
女の暗い面がじっとりと描かれている。
客観的に見て、この十和子という女は非常に不快だ。
だけど、その不快さが自分の中にも潜んでいる一部のようで十和子から目が離せなくなる。
バカな女、ひどい女、ろくでもない女。
認めたくないし、拒絶したいのに、十和子と共鳴してしまう部分が自分の中にある。
そういうところをまほかるさんはえぐってくる。


読み終わった後の哀しさといったらない。
十和子も陣冶も哀しすぎる。
惨めだ。惨めすぎて涙が出る。
陣冶の愛さえ惨めだ。

人間がいかに惨めで滑稽か。
それでいてこんなにも深く人を愛せるのかと。
怖い本ですわ~価値観が揺らぎます。

「容疑者Xの献身」とも似てるけど、
より肉感的で、人の温度や匂いが感じられる本。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



















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