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毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記
北原 みのり
朝日新聞出版 2012-04-27
評価

by G-Tools , 2012/07/22



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別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判
佐野 眞一
講談社 2012-05-25
評価

by G-Tools , 2012/07/22



ノンフィクションものはあまり読まない。
木嶋佳苗にも興味はなかった。
なんだけども、”東京ポッド許可局”で語られていたこの2冊がとても気になったので、読んでみた。

想像以上に面白かった!
先に『別海から~』の方を読んでいたら、
ただの事件の一つとして興味ないままだったかもしれない。
けれど、『毒婦』の方は、作者の視点が面白かった。

このデブでブスな女が複数の男から金をだまし取っていた事件は、
やはり男と女によってとらえ方がかなり異なるのだろうなと。
さらに同じ女同士でも、美人とそうでない女でもかなり異なるはず。

彼女は淡々とお金を”援助”という形でもらい、
自分がセレブのような生き方をすることをまっとうした。
わかりやすいほどに。
それはもちろん、授業代だといってもらったお金をベンツ購入や
高級マンションの家賃にあてていたので、詐欺といえば詐欺だ。
でも、お金を渡した方の男たちは、その使い道なんて本当はどうでもよかったんじゃないだろうか?
要は、結婚したかった。見た目の判断で自分たちより”下”と思った女。
ブスだけど、やらせてくれるし、料理上手だし、まぁいいかと。
そういう心のどこかにあった蔑みを見事に突け込まれたんじゃないだろうか。

正直、木嶋は殺しさえしなければ、この後もずっと男たちからお金を取っていたはずだ。
詐欺だけだったら、むしろあっぱれな生き方だと思う。
自分が生まれもった運命とか性というものに、まったく左右されなかった女。
とりたてて秀でたわけでない容姿と家系。
そういうところに生まれた人間で、人より秀でたいと思ったら、
例えば勉強やスポーツや芸術などで人より優れているものを見つけるもの。
元々備わっている人には必要のない努力や時間を必要とする。
そこが、彼女は違う。
いや、違うというより人と違う方法を見つけたということ。
他人からの賞賛や認定など必要とせずに、自分が主役の生き方を見つけた。
それが彼女のすごいところだ。
実際、逮捕されるまで成功しているわけだし。

これは、男でも女でも学ぶところがあるんじゃないだろうか?
いや汗して生きていくことを尊いと思っている人には許せない生き方だけど、
どうにもならない人生をもがいている人たちは、ちょっと見過ごせないんじゃ・・・

なんて、危ない感化をされながらも気になること。
なぜ、彼女は殺したのか?

状況証拠だけで有罪となった彼女の、殺人にいたる心理はなんだったのか。
彼女は単に人を殺すことに何の罪の意識も感じない類の人間だったのか。
殺人と大金がはいってくる、自らが生み出したサイクルに自ら捕らわれてしまったんではないだろうか。
逮捕直前のあわてたように新たな被害者を取り組んでいく様はちょっと異様だ。
大金奪って、高飛びするつもりだったんだろうか?
それにしては、家まで引っ越してきて大がかりだ。

まったく本音を裁判で語らなかった木嶋佳苗。
裁判でもっと彼女の築き上げたプライドを崩せていたら、彼女は落ちていたんではないかとちょっと残念に思う。おそらく彼女は感情的な攻めや倫理観などではなく、”同情”というものに一番弱いのではないかと。そんなことをこの2冊を読んで感じました。

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