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都市伝説セピア
朱川 湊人著文芸春秋 (2006.4)通常24時間以内に発送します。

花まんま』の朱川さんのデビュー作である『フクロウ男』が入っている短編集。
やっぱりこの人、すごい!面白い!!
『花まんま』の時にも思ったけど、この人はなんて温かい文章を書く人なんだろう。自分でも忘れているような記憶の片隅をうまいこと触る。触られたところがほんのりあったかくなるような、そんな読後感がある人。
それでいて、ちょっとした幼少期の罪悪感だとか、忘れたかったような記憶も突いてくるから恐ろしい。

この本は、ちょっと怖くて、懐かしくて、切ない話が5つ。

最初の「アイスマン」はかなり怖かった。まだ見世物小屋というものがわずかに残っている時代。”河童の氷漬け”なる物とそれを見世物にしている親子と出会った少年の話。展開が読める怖さあり。それでもラストはなんだかあったかい。

ほろろ泣きの「昨日公園」。大事な人を失った日が繰り返される公園。大事な人を守ろうと必死になる少年たちに涙腺開放。幼少期、日が暮れ始めて空が夕焼けに染まる時間帯のなんとも言えない哀しさと寂しさが全編に漂っている感じ。子どもの頃って、どうして一日が終わるのがあんなにも哀しかったんだろう。

そして「フクロウ男」!! 傑作。なんだこの話!
”フクロウ男”という都市伝説を作り出した男がその告白をする形式で綴られている。後半のどんでん返しというか、オチというか、全然読めんかった!分かってしまえば、珍しい手法ではないんだけど、結局この話が始まった理由とか、そういったものが最後の最後でドン!って来て、思わず唸りましたよ。フクロウ男になりきっている時の展開は結構怖い。

あとこれまた背筋が寒くなるような「死者恋」、普通にいい話でちょっと物足りなかった「月の石」で5編。
朱川湊人の作品は、重松清の作品と雰囲気が似てるな。世代が一緒なのかな。それぞれあったかい物語を書く作家さん。日本もこういうおじさんが多いといいな、なんて思ったりもする。

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