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黒と茶の幻想 (上)
恩田 陸
講談社 2006-04-14
評価

黒と茶の幻想 (下)

by G-Tools , 2007/06/09


大学時代の友人4人が30代後半になって、”非日常”の旅に出る。
男2人、女2人。それぞれが家庭を持ち、仕事をこなす、いい大人になっている。Y島(屋久島)を舞台に、交錯するそれぞれの思い。自分を見つめる時間。
これは、 『夜のピクニック』 大人ヴァージョンだと思った。
”歩く”という行為が、自分自身と向き合う時間を生み出す。高校生との違いは一緒に歩いている人たちと共有した時間の長さ、歴史。
さらにこの旅には、”美しい謎”をテーマにミステリー旅行的な要素も取り込まれ、それぞれがずっと心に抱いていた友人への疑惑も用意されている。
利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人の名前がそのまま章のタイトルとなって、4章構成。
4人それぞれが旅への感慨、目的がある。3泊4日のハイキングを通して、それぞれの思うこと。

利枝子と蒔生は元恋人だ。大学4年の時に、利枝子の親友を好きになったと蒔生から別れを告げられ、恋人と親友を同時に失うという辛い思い出を抱えていた。利枝子は既に他の人と結婚し、母親でもあるが、この旅を通して、愛した男は蒔生だけだと改めて確信する。自分の傷と向き合う旅、蒔生に抱いていた黒い疑惑を解明する旅。

各自が自分のこと、友人のことを観察し思索しているから、章を読むごとに4人の主観的な印象と客観的な印象が描かれることになる。
だから、友人が見抜いていること、親友にさえ隠していることがあり、その人の本質が見えて面白い。本当のことを知っているのは読者だけ。

文章の構成はやっぱり上手いなぁと思うんだけど、話の筋自体はそれほど面白いとは思わなかったなぁ。4人が4人とも、なんか賢くて魅力的な人間に描かれすぎて、ちょっと違和感。ドロドロした感情とか嫌な部分とかなさすぎる気がする。
言ってしまえば、この4人の小説自体、記憶を改ざんした青春にも思える。それとも、現実はそれほどキレイじゃないから、美化したいのか。

あとがきによると、『麦の海に沈む果実』と登場人物が被ってるらしい。この本を読んだようにも思うけど、記憶がない。
うーん。結論としては『夜のピクニック』の方が全然好き。
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テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学





いつもありがとうございます。
TBお返ししました~
【2009/04/18 15:35】 URL | momo #-[ 編集]
また、うかがいました。
おぉ、記憶を改ざんした青春。読みが深いです。

トラックバックさせていただきました。
【2009/04/17 15:28】 URL | 藍色 #-[ 編集]














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