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誘拐ラプソディー
荻原 浩
双葉社 2004-10
評価

by G-Tools , 2007/06/09




荻原さんが得意とする中年男のダメっぷりを愉快に描くコメディー。
ギャンブルで大金失って、借金を断られた雇用主を殴っちゃって、そのまま会社の車を盗って来てしまった前科者の秀吉。
この秀吉がひょんなことから、子どもの誘拐を企てたけど、その子どもがヤクザの親分の息子だったから、さぁ大変。

話は秀吉が自殺を図ろうとするところから始まる。もう首吊り、飛び降りと色々試すんだけど、死ぬ気がないから全部失敗しちゃう。桜の樹に吊り下がったら枝が折れるんじゃないか?なんてことを期待して、試しに枝にぶら下がって思いっきり体重かけて揺らして、まんまと枝を折ったり・・・秀吉のダメキャラがこの最初のシーンでしっかりと描かれている。
ダメ男秀吉と誘拐した子ども伝助のやりとりと、秀吉を追うヤクザ一家の攻防。面白い。
文中、何度も秀吉は自分の人生を振り返っては、ため息をつく。
酒乱の親父のせいで母を失い、弟を失い、ついには親父を殴って前科1犯。その後は空き巣などで何度か刑務所入り。好きになった女性はフィリピンパブのアンナ。
伝助と一緒に過ごす中で、弟との思い出や自分だって子を持っていてもおかしくない年齢なのに、こんな様。何でこんな人生なんだ・・・って思う秀吉が切ない。
彼の人生がこうなってしまったのは、彼だけの責任ではないからね。ダメなヤツだけど、悪いヤツじゃない。憎めない秀吉を応援したくなります。

そういえば、こういう話ってよくあるね。
小学校の教科書に『どろぼうと赤ん坊(だったかな?』っていう話があって、桜の樹の下に捨てられている赤ん坊を見つけた泥棒の話なんだけど、幼心にすごく切なくなったことを思い出した。罪を犯している人が全て悪人じゃないってことよ。ままならぬ人生にそういう生き方しかできない人もいっぱいいるだろうよ。
そういうことを感じさせる、優しい優しい小説。
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